事業売却と承継の現状
最近実施された調査によると、事業売却や承継を経験した経営者の約70%が、自社の企業価値を上げる方法に関心を持っていることが明らかになりました。この調査は2020年末から2021年初めにかけて行われ、98名の経営者の有効回答を参考にしました。
売却価格に対する意識
調査において、経営者の36.8%が過去の売却価格に対して「もっと高い価格を想定していた」と回答しました。その理由で最も多かったのは「良い買い手が見つからなかったから」で、約38.9%がこの意見に同意しました。また、自社の企業価値を正確に把握していなかったことや、売却価格を引き上げる方法を知らなかったという意見もあり、それぞれ36.1%と27.8%の回答率が見られました。これらの結果は、経営者が売却プロセスにおいて抱える課題を示しています。
不満点と要因
売却価格に納得できなかった理由として、41.2%の経営者が「交渉が円滑に進まなかった」という意見を挙げており、全体の7割近くの経営者が何らかの形で売却プロセスに不満を持っていることが分かりました。また、売却の際の経済状況や交渉の条件に関する不満も寄せられています。これにより、M&Aの際には、より良い交渉条件を得るための知識が不可欠であることが浮き彫りとなっています。
経営者の反省と今後の取り組み
調査の中で、経営者が「事業承継や売却をもっと早く検討すればよかった」と感じている割合が21.4%に達しました。更に、債権債務のリスクを事前に排除しておくことや、社員への説明を慎重に行うことの重要性に気づいた経営者も多いようです。このことから、企業は事前の計画と準備が成功に繋がると考えていることが確認できました。
準備期間と経営戦略
また、66.3%の経営者が「1〜2年の準備期間を設けることで企業価値を向上させる手法に興味がある」と答えています。さらに、69.4%の経営者が「今後は企業価値を逆算して経営に取り組みたい」との意向を示し、企業価値を高めるプランニングの重要性が強調されました。
まとめ
調査から得られたデータは、経営者がM&Aの過程で直面する課題や反省点を示しています。特に、企業価値向上の手法や事業売却に伴う戦略的準備が重視されている点が迎えられています。M&Aを成功させるためには、専門家の助言を受けながら、自社の実情に応じた価値向上を図ることが求められています。このような取り組みを通じて、企業はより高い売却価格を実現し、円滑な事業承継を目指すことが可能となるでしょう。
会社概要
この調査を実施したのは、株式会社M&Aコンサルティングです。設立は2019年4月で、東京・千代田区に本社を構え、事業承継やM&Aのコンサルティングを行っています。詳細な情報は公式ウェブサイト(
M&Aコンサルティング)をご覧ください。