私立高校無償化制度がもたらす志望校選びの変化
東京都新宿区に本社を置く株式会社明光ネットワークジャパンは、私立高校の無償化制度に関する意識調査を実施しました。対象は中学1年生から3年生を有する全国の保護者1,000名です。調査の結果、私立高校志望の保護者の約80%が「選択肢が広がった」と答えています。これは、2025年4月から拡充される「高等学校等就学支援金制度」、つまり私立高校授業料の実質無償化が影響しています。
私立高校無償化の背景
この制度は、これまでの所得制限を撤廃し、全ての生徒が対象となるため、多くの家庭が経済的負担を軽減できるようになります。支給金額は、すべての生徒に対して年間11万8,800円まで。さらに、2026年からは支援上限額が引き上げられる見込みで、実質的な授業料の無償化が進むとされています。昨今の調査では、47%が「ある程度広がった」、33%が「大きく広がった」と回答するなど、経済的な理由で私立高校進学をためらっていた家庭でも選択肢が増えています。
保護者の賛否と期待
調査結果によると、私立高校の無償化に賛成する保護者は74.4%に上ります。彼らは、経済的な負担軽減を期待しており、学習環境や大学進学実績を重視しています。実際に、私立高校を志望する理由として「学習環境・設備が整っている」という回答が38%を超え、教育内容への期待も高まっています。
進学行動の変化と懸念
私立高校無償化によって、志望校選びに影響を与えたと答えた保護者は66.9%に達します。無償化によって進学行動が変わり、経済的な理由で選択を躊躇していた家庭も視野を広げていることが明らかとなりました。しかし、授業料が実質無償化されても、約90%の保護者が授業料以外の費用、特に入学金に対する負担感を抱えていることも事実です。
授業料以外の負担
保護者が最も不安を感じるのは「入学金」であり、次いで「修学旅行費」や「施設整備費」です。これらの負担も考慮に入れなければならず、制度の導入後も依然として家計には重い負担がのしかかっています。それに加え、730%の保護者が入試難易度の競争激化を不安視しており、選択肢が広がる一方で競争が激化する懸念も生じています。
制度への不満と課題
また、制度への不満も少なくなく、保護者の50.2%は授業料以外の費用が対象外であることに不満を示しています。地域差があることも問題視されており、制度の適用条件や実施内容について疑問を持つ声が多数寄せられています。2026年度からは所得制限が撤廃される見込みですが、それまでは多くの家庭が制度の恩恵を受けることが難しい現状が続くでしょう。
まとめ
この調査結果から、私立高校無償化制度は志望校選びに大きな影響を与える一方で、保護者の不安も浮き彫りになりました。教育環境が多様化する今、どのように子どもたちの進路選びを支えるかが、今後の重要な課題となるでしょう。明光義塾は、この制度を最大限に活用し、進学を希望する生徒とその家族に対して、今後もサポートを続けていく所存です。