日本ハイドロパウテックの資金調達と海外展開
新潟県長岡市に本社を置く日本ハイドロパウテック株式会社(通称NHP)は、革新的な加水分解技術を発展させて食品業界に新たな風を吹き込んでいます。この会社は、日本初のファンドであるINSPiRE Mutualistic Symbiosis Fund 1(IMSF)から、約4億円の資金調達を実施したことを発表しました。資金調達の目的は、2024年4月から稼働する海外子会社、ハイドロパウテック・シンガポールを通じた新たな事業の展開です。
海外市場への挑戦
NHPは、毎年成長を続けるASEAN市場において、自社ブランド「Any1 Choco」の店舗小売販売や加水分解物製品の業務用販路拡大を試みています。この海外進出は、IMSFとの協力を通じて行われ、農林水産大臣の承認を受けたファンドでの出資は、非常に重要なステップです。IMSFはこれまで多くの日本企業の海外展開を支援しており、特にASEANやハラル市場に注力してきました。
革新的な技術の背景
NHPは2014年の創業以来、加水分解技術を用いて食品の企画から製造・販売まで展開してきました。この技術を利用することで、従来の醸造や発酵法と比較して、分解にかかる時間を大幅に短縮することが可能になります。また、化学薬品を一切使用せず、エネルギー消費も抑えられるため、環境負荷を軽減できるという特長があります。完成した製品は、原材料の表示が可能で、アレルゲンフリー対応製品や代替肉製品、代替乳製品への応用が期待されています。
さらに、NHPは株式会社ロッテとの提携により、カカオ資源の活用も進めており、多様な製品展開が可能です。これまでの成功をもとに、今後も全国のメーカーや販売店と連携していく意向です。
期待の未来
NHPの取締役である藤本学氏は、心理的なディスラプションを引き起こすNHPの加水分解技術は、国内市場以上に海外市場において革新とビジネスチャンスを生む潤沢な可能性を持っていると語っています。IMSFとの協力により、NHPはさらなる成長を目指し、海外への展開を加速する計画です。
今後の日本ハイドロパウテックの動きから目が離せません。SDGsへの対応や、持続可能な社会への貢献を果たしながらグローバル市場での影響力を強めるための挑戦が始まったのです。