岡山大学が発表した次世代空気圧アクチュエータの可能性とは
2025年6月25日、岡山大学の津島キャンパスで『令和7年度 大学等研究者のミニシーズ発表会』が開催され、県内企業と自治体から参加者がお集まりました。この発表会では、おかやまデジタルイノベーション創出プラットフォーム(OI-Start)の事務局を務める岡山大学が、次世代の空気圧アクチュエータに関する研究成果を発表しました。
空気圧アクチュエータの基本とその重要性
アクチュエータは、電気信号などの指示に従って動作を生成する重要な装置です。特に、産業ロボットや医療機器において幅広く利用されています。近年、柔軟性と安全性の高さを兼ね備えた空気圧アクチュエータが注目されており、多様な分野での応用が期待されています。
今回発表されたのは、前述の下岡綜助教が講師を務めた研究テーマ『柔らかさ×力強さを両立した次世代空気圧アクチュエータ』です。この新たなアクチュエータは、従来の技術が抱えていた課題、具体的には「変形できても出力が弱い」や「高出力であれば高圧が必要」という問題を解決します。これにより、柔軟性と出力を両立させることが実現されました。
EFPAの画期的な特長
発表されたアクチュエータは「EFPA(Extended Flat Pneumatic Actuator)」と名付けられています。下岡助教は、EFPAの技術が如何にして柔らかさと力強さを実現しているのかに言及しました。その構造と使用材料の工夫により、低圧での動作が可能であり、更にヒステリシスを最小限に抑えた高精度の制御が実現されている点が特徴です。
この技術は医療や介護の分野での応用が特に期待されており、ロボットやウェアラブルデバイスへの展開が見込まれています。例えば、医療用ロボットが患者の身体を支える際に、優れた柔軟性と力強さを持つEFPAを使用することで、より安全で快適な介護が可能になるでしょう。
デモンストレーションと参加者の反応
講演の後、実際のEFPAを使用したデモンストレーションが行われ、多くの参加者がその動きの力強さとしなやかさに感心の声を上げました。探索的なディスカッションも行われ、アクチュエータの具体的な応用がどのように進むか、参加者から多くの意見が交わされました。
これにより、OI-Startおよび岡山大学の研究取り組みに対する期待がさらに高まりました。
向上する地域企業との連携
OI-Startは、産学官の連携を通じて、デジタル技術を活用したイノベーションの創出を目指しています。特に、地域企業や自治体、研究者、学生が共創することで、生産性の向上と魅力の強化、若者の地域定着を進めるプラットフォームとなっています。
この発表会を通じて、地域中核で特長ある研究大学としての岡山大学の取り組みがさらなる発展を遂げることが期待されます。新たな技術が地域社会の発展に寄与する未来を共に考え、岡山大学へのご期待をお寄せください。
今後、この次世代アクチュエータに興味を持たれた方は、OI-Start事務局へお問い合わせをお待ちしております。