Z世代が考える老いとの向き合い方
2025年6月17日から7月29日の期間、広島県にある叡啓大学で、株式会社AgeWellJapanが主催する課題解決演習が行われました。この取り組みでは、Z世代の学生たちが“老い”について深く考える機会を持ちました。演習では、AgeWellJapanの代表である赤木円香氏が講師として参加し、シニア世代との対話を通じて、世代間の価値観や社会的な課題を探求しました。
老いとは何か?
この演習のテーマは「老いを再定義する」とされ、Z世代の学生たちは、65歳以上の高齢者との“分断”について意見を交わしました。アクティビティの一環として、学生たちはシニア世代にインタビューを行い、互いの視点を理解し、交流を深めることを目指しました。
参加した学生の中には、老いやシニアに対する偏見を抱く声が多くありました。ある学生は、「現在、シニアは社会のお荷物のように扱われがちで、スマホを学ぶ必要がないと感じている人も多いだろう」と指摘しました。また、広告やメディアが老いをネガティブなものとして描いている事例も言及され、無意識のうちに偏見が蔓延している様子が浮き彫りになりました。
シニア世代の前向きな姿
一方、AgeWellJapanのシニア会員との対話では、年齢を重ねることが人生の豊かさをもたらすという意見も多く聞かれました。参加学生からは、
- - 「年齢を重ねたことで、自分自身を大切に生きられている」
- - 「シワやシミは、人生の証として価値がある」
- - 「シニア世代が生き生きと楽しんでいる姿は、非常に印象的だった」
という言葉が寄せられ、老いをポジティブに捉える姿勢が報告されました。こうした自己肯定感の高さが、生きがいや挑戦意欲に繋がる重要な要素であるという見解も見受けられました。
赤木円香の言葉
演習の実施後、赤木社長は「学生たちの意見を通じて、社会には老いに対するネガティブな認識が広がっている事実を再認識しました。ただし、シニアの方々から感じた新しい老いの形に希望を見出すこともできました。私たちの目指す『Age-Wellな社会』を構築するために、今後も貢献していきます」と語りました。
今後の展望
AgeWellJapanは、世代間の架け橋をかける活動を今後も積極的に行っていく方針です。大学との連携を強化しながら、すべての世代が希望を持てる社会の実現を目指します。さらに、2025年9月16日には、東京ミッドタウン八重洲で「Age-Well Conference 2025」を開催予定であり、さまざまな世代や分野の人が集まり、老いを前向きに捉えるための議論が行われます。
老いは、単なる衰えではなく、意味を生み出す重要なステージであるという視点を提起し、多様性が尊重される社会を築くことが求められています。参加者には各々の考えを新たにし、未来を共に創造する貴重な1日となることでしょう。