岡山大学の中村技術専門職員が「TCカレッジ長賞」を受賞
2024年7月12日、国立大学法人岡山大学から、教育支援技術課の中村有里技術専門職員が、東京工業大学で開かれた「TCカレッジ技術・研究支援発表会」において「TCカレッジ長賞」を受賞しました。この表彰は、東京工業大学が主催する技術職員向けのプログラムであるTCカレッジから派生したもので、高度な技術力を持つ人材を育成することを目的としています。
このTCカレッジは、令和3年度より始まり、岡山大学は令和4年度から参画しました。現在、同大学には8人の技術職員がTC認定を目指しており、技術職員のさらなるスキルアップを推進しています。今年3月には、岡山大学総合技術部設計制作・社会基盤技術課の堀格郎課長が、テクニカルマスターとして認定を受けました。他にも医工系コースを開設するなど、TCカレッジを有効活用し、技術職員の質の向上に努めています。
発表会では、令和6年度の新入生がその間に習得した技術を披露し、発表スキルの向上を図ることが主たる目的です。中村技術専門職員は「マネジメントを活かした工学の魅力発信」というテーマで、自身が携わった工学教育の魅力について発表しました。彼女の発表は非常に優れていたため、TCカレッジ長賞に値するとされました。昨年度の同発表会では堀課長が日本電子賞を受賞しており、岡山大学の技術職員の能力が際立っていることが改めて証明されました。
受賞後、中村技術専門職員は「TCカレッジを通じてマネジメントを学び、未来ある技術職員の活躍の場を広げたい」との意気込みをコメントしました。
また、総合技術部の本部長を務める佐藤法仁副理事・副学長は、岡山大学が掲げる長期ビジョンに沿い、技術職員の高度化を意図的に推進していると述べました。「高度化」には様々なアプローチが考えられ、TCカレッジもその一環であることを強調し、全国の技術職員との交流を通じて得られる貴重な経験が岡山大学にとって重要であると語りました。将来、多くの優れた人材を育て、輩出するための取り組みを続けていく意向を示しました。
岡山大学は文部科学省が実施する「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に選定されており、技術職員の育成活動が進められています。その中で、技術職員を研究者のパートナーとして位置付ける「研究ポリシー」といった独自の取り組みが特に注目されています。
このような活動を通じて、岡山大学は他の大学や研究機関にはない先導的な役割を果たし、技術者としての新たな価値を生み出そうとしています。この努力は、科学技術の進展やイノベーションの推進、さらには社会の変革にも寄与するでしょう。地域に根ざした研究大学としての使命を果たし続ける岡山大学の今後に期待が高まります。