子どもたちを差別から守るための新しい取り組み
認定NPO法人メタノイアは、2025年の2学期を前にした重要な取り組みとして、「子どもたちを差別から守る考え方5選」と題した啓発ビジュアルを公開しました。このビジュアルは、特に外国にルーツを持つ子どもたちを、差別や偏見から守るための実践的なガイドラインを提供するものです。メタノイアの代表理事である山田拓路氏は、これまで長い間、様々な形で差別を受けてきた子どもたちの実情を訴えています。
なぜ今、差別対策が求められているのか?
最近、参議院議員選挙以降、「日本人ファースト」や「違法外国人」といった差別的な言葉が頻繁に公の場で使われるようになりました。このような言葉は、大人だけでなく子どもたちにも影響を及ぼし、彼らの思考や行動に直接的な影響を与えることが懸念されています。
私たちの社会に生きる多様な背景を持つ人々が直面する差別や偏見を防ぐためには、まず社会全体がこの問題に目を向け、意識を高めることが必要です。メタノイアは、差別に立ち向かうための教育を進め、周囲の人々がアクティブなバイスタンダー(もう一人の助け手)として行動することを促しています。
啓発ビジュアルの内容
公開された「子どもたちを差別から守る考え方5選」では、カウンセラーであり社会福祉研究者の市川ヴィヴェカ氏と、社会学者の下地ローレンス吉孝氏の監修のもと、差別や偏見に遭遇した際の具体的な行動を示しています。以下は、その5つの行動です:
1.
注意を逸らす(Distract)
状況を変えるために、注意を他に向ける行動。
2.
記録する(Document)
問題の証拠として、不当な行動を記録する。
3.
助けを求める(Delegate)
信頼出来る他の人に助けを求める。
4.
直接伝える(Direct)
その場で問題を指摘する。
5.
後でフォローする(Delay)
時間を置いてでも被害者と連絡を取る。
これらの行動は、周囲の人々が差別的な状況に対処する手助けを促進し、特に子どもたちにとっての安全な環境を保つためのものです。また、「共にある」姿勢で、ウィズネス(Withness)が重要視されています。この姿勢があれば、傷ついた人々に寄り添うことができ、未来の世代により良い社会を残す手助けとなります。
大学や公共施設での掲示が期待され、幅広い人々に知られるように、ビジュアルは公式WEBサイトからダウンロードできます。
オンラインイベントの開催
加えて、メタノイアではオンラインイベント「差別から子ども達を守る 実践講座ここからはじめる連帯のつくりかた」を開催します。これは、日常生活に潜む差別問題に対する感受性を高め、具体的なアクションプランを学ぶ機会となります。イベントの中では、「沈黙から対話へ」「分断から連帯へ」といったテーマに沿った議論が行われます。
- - 日程: 2025年9月5日(金)20時〜21時
- - 開催方法: オンライン(Zoom、アーカイブ視聴可能)
- - 参加費: 無料(事前申込必要)
教育関係者や、子どもたちの成長を支える方々の参加が歓迎されています。
メタノイアのミッションと活動
認定NPO法人メタノイアは、「世界につながる子どもと社会をつなぐ」というミッションを掲げています。外国にルーツを持つ子どもたちの日本語教育を専門とするこの団体は、日本語教室の運営や、難民支援活動を通じて、地域社会への貢献を行っています。
現在、彼らは「分断ではない」社会を作るためのマンスリーサポーター募集キャンペーンを実施しており、目標の500人を達成するための支援者を求めています。参加者は、人々の命と尊厳が尊重される社会を一緒に構築する仲間となることが期待されています。
メタノイアの活動に興味をお持ちの方は、公式サイトやSNSでの情報発信をご覧ください。