超高齢社会への挑戦
株式会社UNERI(名古屋市)が運営するファンド、UNERI Capitalは、超高齢社会に向けて新たな一歩を踏み出しました。東京に本社を構える株式会社AgeWellJapanへの出資を決定し、革新的な高齢者支援のサービスモデルを推進する姿勢を表明しています。この出資はUNERI Capitalにとっての第1号投資案件となります。
日本の高齢化とその影響
日本はすでに世界に先駆けて超高齢社会に突入しており、2040年には高齢者人口が全人口の35%を超えると予測されています。この急速な人口構成の変化に伴い、高齢者支援や介護に関するニーズが急増しています。UNERI Capitalはこの趨勢を見極め、高齢者支援の領域が新たな経済成長の原動力となることを期待しています。
AgeWellJapanの取り組み
AgeWellJapanは「高齢社会における生きがい創出」をミッションに掲げ、介護とテクノロジー、ホスピタリティを融合させた画期的なサービスを展開しています。代表の赤木円香氏を中心に、同社は高齢者一人ひとりの自己実現をサポートし、世代間の分断を克服するような価値観を社会に根付かせることを目指しています。これにより、単なる介護支援の枠を超え、高齢者が充実した人生を送るための様々な選択肢が広げられるでしょう。
インパクト志向のファンド
UNERI Capitalは、一般的なベンチャーキャピタルのパフォーマンス追求にとどまらず、日本のスタートアップエコシステム全体がインパクト志向とグローバル化を進めることを目指しています。その象徴的試みの一環として、全ての投資先企業に対して5年以内の「B Corp認証」の取得を必須とするという方針を示しています。この方針は日本のVCでは初の試みであり、アジア全体でも価値ある挑戦として注目を集めています。
共同開発したBCorp覚書
AgeWellJapanとの初の共同プロジェクトとして、UNERI Capital主導のもとBCorpに関する覚書が交わされました。これには企業理念の定款への明記や、B Corp取得に向けた具体的な目標が含まれており、成長とインパクトの両立を目指すアプローチが採用されています。
AgeWellな社会を実現する道筋
また、AgeWellJapanは事業成長の中でどのような社会を形成するのか、セオリーオブチェンジを可視化したToC Ver.1を発表しました。これにより、AgeWellJapanが目指す目標や方向性が明確になり、関係者が共通のビジョンを持って進むための道筋が示されます。今後はこの基盤をもとに、インパクトKPIの調整や事業成長の機会創出を行い、企業としてのDNAにインパクト志向を根付かせていくことを計画しています。
コメントと展望
赤木円香氏は「創業期より支援してくださった河合さん率いるUNERIチームから出資いただけることを嬉しく思います。引き続き超高齢社会の問題に向き合い、『100歳まで生きたい社会』の実現へ向けて邁進します」と述べました。UNERI Capitalの河合将樹氏も「自社の開拓者としての役割を果たしつつ、AgeWellな社会の実現に向けて共に取り組むことに期待しています」と強調しています。
さらに、同社のWebページで公開されている対談記事では、赤木氏とAgeWellJapanに出資している岡田氏、さらに河合氏が一堂に会し、超高齢社会における事例やビジョンについて語り合っています。この対談は関心を持つ人々にとって貴重な情報源となるでしょう。
今後の展開
今回の出資を受け、AgeWellJapanは新規事業の開発や全国展開、人材採用を加速させる予定です。UNERI Capitalもまた、AgeWellJapanの成長をサポートし、高齢社会の様々な課題解決への一端を担います。両者の強力なタッグがどのような未来を描くのか、引き続き目が離せません。