シンガポールのMirxes、日本でのがん検査普及へ
2025年7月23日の東京都内で、シンガポールのバイオテクノロジー企業Mirxes(ミレックサス)が、日本国内におけるがん早期診断技術の普及を目的とした戦略的パートナーシップを発表しました。この業務提携は、Mirxesが開発した血液を用いたマイクロRNAを基盤とするGASTROClear™(胃がん)およびLUNGClear™(肺がん)などの非侵襲的で高精度なスクリーニング技術を全国で普及させることを目指しています。
Mirxesの目的と期待される影響
Mirxes Japanの代表取締役であるユン・リハン博士は、「我々の目的は、日本の国民にがんを早期に発見する技術を届けることであり、このパートナーシップはその重要な一歩です。地域や医療業界との連携を強化し、予防医療の促進とがんによる死亡率の低下を目指します」と語りました。
また、ナガワ薬品株式会社の常務取締役、大段正司氏も「次世代医療技術を通じて社会全体の健康を向上させることが我々の使命です。Mirxesとの連携はその理念を実現するものであり 公衆衛生の未来を切り拓く大きな一歩だと感じています」と述べ、期待を寄せました。
日本のがん検査の現況と課題
日本では、がんは重大な健康課題として存在しています。がん情報サービスによれば、2022年時点での胃がん検診受診率は男性で45.7%、女性で36.5%にとどまっています。受診しない理由としては、「時間がない」「検査がつらい」「経済的な不安」が挙げられており、早期発見・早期治療に必要なスクリーニングの受診率向上が急務となっています。
GASTROClear™の特徴
Mirxesが開発したGASTROClear™は、臨床的に検証されたマイクロRNAを用いる胃がんスクリーニング用の血液検査で、身体的負担が少ない特長があります。特に、心疾患や呼吸器系の病歴を持つ方、または高齢のために従来の内視鏡検査を受けることが難しい方々でも利用可能です。
GASTROClear™は、胃がん全体のステージにおいて高い検出感度を持つだけでなく、前がん状態においても60%の感度で検出が可能です。従来の検査と比べて短時間で結果が得られる点も大きな利点です。
おわりに
Mirxesのこの新たな試みは、日本におけるがん検査の大きな前進となることが期待されています。日本の医療界と連携し、がん検査が普及することで、より多くの人々が早期発見による治療の機会を得ることが可能となるでしょう。このパートナーシップは、今後の健康管理や公衆衛生に対する重要な影響を与えるものといえます。
概要
シンガポールのMirxesが、日本におけるがん検査の普及を目指してナガワ薬品と手を組んだことは、がん早期発見技術のさらなる発展に寄与するとともに、国内医療の質向上にも寄与するでしょう。その取り組みと今後の展開に注目です。