気候スマートエビ成功
2025-06-20 13:49:20

アジア初の気候スマートエビ養殖、印象的な成功を収める

アジア初の気候スマートエビ養殖



インドネシア中央スラウェシ州のドンガラ県ラロンビ村では、画期的な気候スマートエビ養殖(Climate Smart Shrimp, CSS)が実施され、初めての収穫が行われました。この新たな手法では、6月の10日から12日にかけて、期待を超える50トン以上のエビが収穫され、持続可能な水産資源の実現に向けた重要な一歩となっています。

このプロジェクトは、コンサベーション・インターナショナルのインドネシア法人であるコンサバシ・インドネシアが主導し、マングローブ林の減少や持続不可能な養殖に伴う環境問題に対応しています。エビ養殖の生産性を高めつつ、環境保全も視野に入れたこの手法は、エコシステムの持続可能性を追求するための新たなモデルとして高く評価されています。

CSS手法とは?



気候スマートエビ養殖(CSS)は、環境への負担を軽減しながらエビの生産性と収益性を向上させる技術です。この手法では、廃水処理技術や持続可能な養殖方法、マングローブの再生を組み合わせ、沿岸の生態系を守ることを目的としています。特に、ラロンビでは、エビの生産量を向上させつつ、地域の生態系を保護するバランスを重視しています。

再生されたマングローブ林は、自然のバイオフィルターとして機能し、年間1ヘクタールあたり最大7.4トンもの炭素を吸収する能力があります。3.5ヘクタールのマングローブで、約3,700トンの炭素貯蔵が期待されています。これは、持続可能な水産物の供給にも寄与する重要な要素となっています。

マングローブ生態系の重要性



マングローブ生態系は多様な生物にとって生息地であり、特にマングローブガニなどの種にとっては繁殖や成長の場となります。マングローブに含まれる栄養分は、海洋生物にとって不可欠な食料源であり、生物多様性を支える役割も果たしています。

プロジェクトの成果



この成功に大きく寄与したのは、養殖場での水質をリアルタイムで監視するシステムの導入です。養殖技術スタートアップ「JALA」のCEOアリョ・ウィリヤワン氏は、「1ヘクタールあたり52トンという収穫は国内平均を大きく上回り、これは優れた養殖管理と国際市場への展望を示しています」と述べています。

また、国立研究イノベーション庁(BRIN)のブルーカーボン研究者、マリスカ・アストリッド氏も、環境保護に向けた自然を基盤とした解決策の重要性を強調しています。彼女の研究によれば、CS養殖池の水質は従来の養殖方法と比べて明らかに改善されており、廃水の処理後は安全な状態で海に放流できるようになっています。

未来への展望



この成功は、エコテクノロジーと地域社会の協力が生み出すポテンシャルを示しています。ラロンビの気候スマートエビ養殖モデルは、インドネシアの他の沿岸地域でも実施可能であり、持続可能な経済発展と食料安全保障に貢献することが期待されています。さらに、日本を含む国際的な投資家もこのプロジェクトに注目しており、持続可能なエビ養殖システムの発展が求められています。

このように、エビ養殖における革新的な取り組みは、持続可能な未来への道筋を示すものとなるでしょう。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

会社情報

会社名
一般社団法人 コンサベーション・インターナショナル・ジャパン
住所
東京都千代田区内幸町2-1-6日比谷パークフロント19F
電話番号
050-1754-5679

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。