東京発、次世代物流を目指す「Tokyo Logistics Co-Creation Cluster」の挑戦

東京から始まる新たな物流の挑戦

東京都は、令和7年度の「グローバルイノベーションに挑戦するクラスター創成事業（TIB CATAPULT）」において、『Tokyo Logistics Co-Creation Cluster』が参画クラスターとして採択されたことを発表しました。このクラスターは、物流業界の多様な企業が集まり、業界全体の発展を目指す取り組みです。その構成企業には、株式会社eiicon、セイノーホールディングス株式会社、佐川急便株式会社、三菱倉庫株式会社、そしてSpiral Innovation Partners株式会社が名を連ねています。

目指すはデファクトスタンダードの確立

『Tokyo Logistics Co-Creation Cluster』の主な目標は、輸送や倉庫などの物流分野において、デファクトスタンダードを確立することです。これは、単に企業の枠を越えた共創を促進するだけでなく、ロジスティクスの全面的なイノベーションを実現し、人々の生活を豊かにするための基盤を築くことを目指しています。このクラスターの設立により、業界の伝統的な枠組みを打破し、新しい価値を創造するための環境が整いつつあります。

クラスターの構成と活動内容

構成企業はそれぞれ異なる専門性を持ち寄り、共同してイノベーションを生み出します。具体的には、以下のような活動が展開されます。

- 新たな物流の形：自動配送や環境への配慮を考慮した新しい物流モデルを構築。
- データ活用：ビッグデータやAIを活用し、配送の最適化やバリューチェーンの効率化を実現。
- 課題解決：ドライバーの配車効率を向上させるなど、物流業界の課題に応じた解決策を提案。

さらに、クラスターは協力者を募り、より多くの物流事業者や業界関係者の参加を促進していく方針です。これにより、さまざまな視点から物流市場を再構築し、持続的な成長に寄与することが期待されています。

各企業のコメントとビジョン

セイノーホールディングス株式会社の村木課長は、本クラスターへの参画を通じて、業界を超越した共創による物流課題の解決を目指すと語っています。環境問題や人材不足に対する社会的な要求に応えるため、持続可能な次世代ロジスティクスの創造を志向しています。

佐川急便株式会社の麻生課長は、オープンイノベーションが新たな知見や技術の進化を促進し、社会の変化に適応するための鍵であると強調しています。彼は、業界横断的な連携を深めていくことが物流全体の持続的な成長を実現するための道であると考えています。

また、三菱倉庫株式会社の相野マネジャーは、PoCから事業化までの流れを円滑にするために活用されるアセットの重要性について言及し、業界における革新を促進する姿勢を示しました。

TIB CATAPULTの背景と目的

東京都が運営する「TIB CATAPULT」は、2050年に向けた東京戦略の一環として位置づけられています。この事業は東京からグローバルな意義を持つイノベーションを発信することを目的としており、スタートアップの成長支援を通じたネットワークの構築が求められています。

具体的には3年間で20件以上の協働事例を生み出すことを目指しています。このような取り組みにより、東京は世界におけるイノベーションの中心地となり、持続可能な未来に向けた重要なステップを踏み出すことでしょう。