ベクター、HSMファームウェアがISO/SAE 21434認証を取得
シュツットガルトに本社を構えるベクターは、最新のHardware Security Module (HSM)に対応したファームウェア「MICROSAR HSM」が、ISO/SAE 21434認証を取得したことを発表しました。これにより同社は、自動車業界におけるサイバーセキュリティ分野での大きな進展を遂げました。
ISO/SAE 21434は、道路車両のサイバーセキュリティを確保するための国際的な標準規格であり、この認証により、車両のライフサイクル全体を通じて厳格なセキュリティ基準を満たすことが保証されます。これにより、HSMファームウェアを活用することで、ECU(電子制御ユニット)の開発者は最新のセキュリティプロセスを取り入れることが可能となります。
MICROSAR HSMファームウェアは、暗号サービスを提供し、HSMのハードウェアリソースを効果的に活用します。そのため、基本的な暗号機能や安全な鍵メモリ、セキュアブートメカニズムによって、サイバー攻撃からECUを保護し、信頼性を向上させています。
現代の車両はますますネットワーク化が進み、PCやモバイルデバイスと同様に、定期的にOTA(Over-the-Air)アップデートを受けています。しかし、これに伴い、標的型サイバー攻撃のリスクも増加しており、安全な車両開発には高水準のサイバーセキュリティ技術が求められます。MICROSAR HSMは、そんなニーズに応えるため設計されています。
また、ベクターは「CSMS(Cybersecurity Management System)」認証に加え、国連規則第155号(UN-R155)の実装を支援するため、ISO/SAE 21434に基づく製品固有の認証サービスも提供しています。これにより、自動車メーカーやサプライヤーは、より安全な車両の開発を進めることが可能になります。
ベクターは、35年以上にわたってソフトウェアベースの電子システムとネットワーク開発の分野で実績を築いてきたリーディングカンパニーです。自社の製品を通じて、自動車業界全体のセキュリティ水準を向上させる取り組みに注力しています。現在、世界中に4,500名以上の従業員を抱え、今後も新しいソリューションの提供に力を注いでいくとのことです。イノベーションを重視し、技術の進化に対応したサービスを展開するベクターの姿勢は、今後も業界の模範となるでしょう。
ベクターの最新ニュースや製品情報については、公式ウェブサイトをチェックしてみてください。自動車業界の未来を担う技術と信頼性を提供するベクターの取り組みに、今後も期待が寄せられています。