骨粗鬆症の地域差
2018-12-04 16:30:33
骨粗鬆症検診受診率が地域によって大きく異なる実態とは
骨粗鬆症検診受診率が地域によって大きく異なる実態とは
日本国内の骨粗鬆症検診を受けた人の割合に関する調査によると、都道府県によってその受診率に大きな差があることが明らかになりました。特に、栃木県が14.0%の受診率を記録し、全国で最も高い数値を示しています。これに対して、鳥取県はわずか0.3%という低い受診率であり、地域による違いが顕著に表れています。
骨粗鬆症検診受診率ランキング
2015年度の全国平均は5.0%であり、栃木県の他には、山梨県(13.1%)、福島県(13.1%)、群馬県(13.1%)、宮城県(12.1%)といった県が高い受診率を誇ります。一方で、鳥取県、和歌山県(どちらも0.9%)、京都府(1.1%)など、受診率が非常に低い県も存在します。高知県に関しては、検診を受けた人数が報告されておらず、実施されていないものと推測されています。
大腿骨骨折と要介護率の関連性
調査では、大腿骨骨折により人工骨頭挿入術を受けた患者の割合と要介護率に正の相関関係が見られました。つまり、大腿骨骨折が多発する地域では、より多くの介護が必要とされる傾向があります。また、骨粗鬆症検診率と人工骨頭挿入術を受けた患者の割合には負の相関が認められ、受診率が低い地域ほど骨折のリスクが高まることが示唆されています。
特に、骨粗鬆症検診率が低い地域では介護が必要な高齢者の割合も増加する傾向があり、これは具体的なデータに基づいて示されています。
健康診査と要介護率
他の健康診査やがん検診の受診率と要介護率については、特に相関関係は認められなかったため、これらの検診が要介護率を直接的に減少させる要素にはなり得ないと考えられます。そのため、骨折による要介護者を減少させるためには、次世代に向けた骨粗鬆症検診の重要性を強調すべきです。
結論
以上のように、骨粗鬆症検診の受診率は県によって大きく異なり、受診率が高い地域は要介護率が低く、大腿骨骨折の発生率も少ないことがデータから示されています。健康を維持するために、地域住民自身が骨粗鬆症検診の重要性を認識し、受診を促進することが非常に重要です。地域固有の健康課題を解決するために、検診をさらに推進していく必要があると言えるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
公益財団法人骨粗鬆症財団
- 住所
- 東京都中央区日本橋大伝馬町2-14パールビル5階
- 電話番号
-
03-5640-1841