設備保全業務のデジタル化の重要性
近年、全国の自治体におけるインフラの老朽化が進行しており、安定した運用が求められています。このような背景を受け、三井情報株式会社(以下、三井情報)は東京都水道局と共同で、設備保全業務のデジタル化に向けた技術検証を行いました。
1. 技術検証の背景
東京都水道局では、長期にわたり稼働している設備の増加により、状態を正確に把握することが難しくなっています。特に、将来的にはベテラン人材の退職や人手不足が懸念されており、従来の点検手法だけでは保全力を維持することが困難であると予想されています。そのため、設備保全業務のデジタル化が求められています。
また、異常の兆候を迅速に把握するためには、継続的なデータ解析が不可欠ですが、従来の方法ではその質を担保できない場合があります。この課題を解決するため、AssetWatch(アセットウォッチ)という予兆検知ソリューションを用いた技術検証が実施されました。
2. 技術検証の内容
今回の技術検証では、東京都の給水所に設置された4台のポンプに対して、約1か月の間、AssetWatchを用いてデータを収集し、分析を行いました。これにより、従来の手法では見逃しがちな潜在的な異常の兆候が明らかになったことが報告されています。
特に、Condition Monitoring Engineer(CME)と呼ばれる振動分析の専門技術者による迅速な解析結果のフィードバックや、データ取得のタイムラグなしでの運用特性が評価されました。このようなデジタル技術の活用によって、より確実に設備の異常を検知し、適切な保全施策へとつなげることが期待されます。
3. 今後の展望
三井情報はこれまで、製造業や社会インフラ分野でのデジタル技術を駆使した設備保全の高度化を進めてきました。今後も、AssetWatchなどのデータ解析基盤を利用し、自治体や製造業と連携しながら、設備保全業務の効率化と安定運用を実現していく方針です。
4. 三井情報のビジョン
三井情報株式会社は、「ナレッジでつなぐ、未来をつくる」を企業理念に掲げています。この理念のもと、ICTを基盤とした事業を展開し、2030年には社会課題の解決と新たな価値の創出を目指しています。第七次中期経営計画では、過去50年間に培った技術や知見を活かし、お客様と共に価値を創造する「価値創造企業」としての成長を目指していきます。これにより、未来社会の当たり前を形作る役割を果たしていく考えです。
まとめ
三井情報と東京都水道局の共同の取り組みは、設備保全業務のデジタル化の先進事例と言えます。技術検証を通じて得られた知見は、今後の自治体や社会のインフラ設備の保全業務に大きく貢献することが期待されています。未来の社会インフラを支えるためにも、このような取り組みが全国的に広がることを望みます。