シニアの生活の質向上に向けた新たな取り組み
アズパートナーズ(東京都千代田区)とAgeWellJapan(東京都渋谷区)が共同で「もっとメイト for アズパートナーズ」という取り組みを本格的に開始しました。このプロジェクトは、高齢者の意欲や自立を支えることを目的としており、科学的介護と意欲創出を融合した新しいアプローチです。特に長寿社会において高齢者の生活の質(QOL)を向上させる重要性が強く提唱されています。
高齢者の意欲と長寿への意識
2018年のアクサ生命の調査によると、100歳まで生きたいと思わないと回答した人の割合は78.8%であり、長生きはリスクと感じる人も78.6%に達していることが示されています。このデータからもわかるように、高齢者の意欲低下や長生きへの消極的な意識はますます深刻な社会の課題となっています。このような意識に対抗するためには、シニアがポジティブに歳を重ねられる環境づくりが不可欠です。
共創の背景と理念
AgeWellJapanは「ポジティブに歳を重ねる社会」を掲げており、一方、アズパートナーズは「シニアの望む暮らしの実現」を目指しています。この両者のビジョンを共有することで、共同で未来志向の生活を提案し、また新たな価値を創出するための事業共創を始めました。
科学的介護と意欲創出の融合
アズパートナーズでは、IoTやAIを駆使した科学的介護と自立支援のメソッドを導入し、各ホームで安定したケアを提供しています。これにより入居者の日常生活は安心感と前向きな気持ちで満たされてきました。その枠組みの中に、AgeWellJapanの「もっとメイト」という視点が加わることで、シニアの意欲と社会参加が推進されます。特に「Age-Well Designer」は、入居者の“やってみたい”という気持ちを引き出すための対話を重視しています。
実証実験の成果
最近行われた実証実験では、定期的に「Age-Well Designer」が入居者と対話を重ね、「ピアノが弾きたい」「食べ歩きに行きたい」といった抱いている想いを掘り起こしました。それにより、日々の生活に小さな挑戦が組み込まれ、入居者の表情や行動に明るい変化が現れました。スタッフからは「共用スペースで過ごす時間が増えた」との声が上がり、ご家族からも「自分でやりたいという意欲が見えてきた」とのコメントが寄せられています。このように、Age-Well Designerは介護スタッフとは異なる“心の支援”を行い、現場に新しい刺激を与えている事例が見られます。
事業展開の先に
この取り組みは2025年2月から3月にかけて行われた「アズハイム神宮の杜」での実証実験を経て、今後はアズパートナーズが運営する7つのホームへと段階的に導入する予定です。シニア世代が安心して暮らせる未来を育むことで、地域全体の活力を高められることを目指します。
企業の理念とビジョン
アズパートナーズは創業20周年を迎え、「世代を超えた暮らし提案型企業」として成長してきました。介護付き有料老人ホーム「アズハイム」シリーズを中心に、業界初のIoT「EGAO link®」導入やAIケアプランの開発など、介護のデジタル化を軸に事業を展開しています。AgeWellJapanは「Age-Wellな人生の相棒」となることを目指し、高齢者に生きがいを支援するための事業展開を行っています。
両社が手を取り合い、シニアの未来をより豊かにしていく姿が期待されます。