オイボン号救助再開
2025-11-14 18:47:28

新船「オイボン号」が地中海での救助活動を再開し人命を守る

地中海での新たな生命の希望「オイボン号」



国境なき医師団(MSF)は、11月12日より地中海での難民・移民救助活動を新船「オイボン号」を用いて再開しました。この新たな救助船の運航は、昨年まで活動していた「ジオ・バレンツ号」が中止となってから、約1年ぶりのことです。地中海は、紛争や迫害、貧困から欧州へ逃げる人々が命がけで横断を試みる世界で最も危険な移民ルートの一つとされています。

危険と不安の海



毎年、多くの人が地中海中央部で命を落としており、事故や転覆によって失われる命は後を絶ちません。MSFの新救助船「オイボン号」は、ノルウェー語で「島への希望」を意味し、かつてはノルウェーで救急船として運航されていましたが、今回は特にこの危険な海域での救助活動のために改修されました。

MSFの海難救助活動責任者フアン・マティアス・ギル氏は、「私たちの使命は、移動を強いられた人々を支援することに揺るぎはありません。海に出ざるを得ない人々の命を救うために、私たちは再び戻ってきました」と述べています。

イタリア政府の影響



MSFのこれまでの活動は、イタリア政府の厳しい法律や政策の影響を受けています。これには「ピアンテドージ令」と呼ばれる新しい法律が含まれ、救助活動に多くの制限を課してきました。ジオ・バレンツ号は、最大で700人を救助することができましたが、必要な人数に満たない数名のみを乗せ、遠方の港へ向かわざるを得ない状況が続いていました。

このような政府の法律への対策として、MSFはより小型で高速な船を導入したとギル氏は明かしています。「これにより、救助活動がより実効性のあるものとなるようにしています」と彼は述べました。

苦しむ人々の声



今回の再開は、リビアから逃れた人々の体験を記録することも目指しています。海上での暴力的な拿捕や、国際法や人権を無視した強制送還が行われている実情に焦点を当てていきます。特に最近では、リビア沿岸警備隊や武装勢力からの攻撃が増加しており、移民たちはますます過酷な状況にさらされています。

「オイボン号」には、MSFの医師や看護師が乗船しており、命の危機に瀕した人々に対する医療提供が行われます。低体温症や燃料吸入、リビアでの虐待による傷を負った者の治療など、幅広い支援を予定しています。

歴史的な救助活動



国際移住機関(IOM)の報告によれば、2014年以降、地中海中央部で少なくとも25,630人が行方不明または死亡しています。2024年だけでも1,810人が命を失っており、毎日平均して5人が命を落としている現状です。地中海からの移民の数が或る程度減少しているにもかかわらず、その死亡者数は過去の年と比べ依然として高い水準です。

MSFは、2015年以降地中海中央部で救助活動を行い、様々な救助船を用いて94,200人以上を救助してきました。再開された「オイボン号」により、さらに多くの生命が救われることが期待されています。

まとめ



「オイボン号」の出航は、命をかけた移民たちにとって、新たな希望となるでしょう。これからも国境なき医師団は地中海での救助活動を続け、これらの人々の命を守るために尽力していくことでしょう。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
国境なき医師団(MSF)日本
住所
東京都新宿区馬場下町1-1 FORECAST早稲田FIRST 3階
電話番号

関連リンク

サードペディア百科事典: 国境なき医師団 移民救助 オイボン号

Wiki3: 国境なき医師団 移民救助 オイボン号

トピックス(国際)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。