キャリア自律性調査結果から見る若手とシニアの働き方の意識
株式会社テックビズが実施した調査によると、正社員900人中64.4%が「自分でキャリアを構築したい」と考えながら、64.7%はそのための具体的な行動を取っていないことが明らかになりました。この意識と行動のギャップは、特に若手層とシニア層において顕著です。
調査背景
企業では「人的資本経営」が重視され、自律したキャリア開発やリスキリングの促進が求められています。テックビズは、対象者の意識と行動を把握し、企業や個人にとって有意義なデータを提供するために本調査を実施しました。
調査結果概要
1. 働き方の自由度のニーズ
調査参加者の55.4%が、副業やフリーランスといった正社員以外の働き方に関心を示しました。特に副業が最も人気で、次いでフリーランスへの志向が確認されました。この現象は、物価上昇や経済不安から生じる収入の多様化を志向する傾向を反映しています。また、52.6%はフリーランスの選択を「キャリアアップ」と捉えており、自由な働き方への期待感が見られます。
2. 意識と行動の乖離
調査では、64.4%の人が自分のキャリアを自律的に構築したいと考えているものの、行動に移せていないことが大きな問題として浮き彫りになりました。特に「時間がない」や「何から始めれば良いかわからない」といった理由が最も多く挙げられ、これらは日本の雇用文化が「会社がキャリアを準備する」といった前提に依存していることを示唆しています。この構造を打破するためには、社会全体で自立を促す風土を醸成する必要があります。
3. 世代別のキャリア意識
特に20-30代の若手層では、64.5%が「自分のキャリアを積極的に構築したい」とのこと。副業に関心が高く、フリーランスとして働きたいとの回答が多く見られます。一方、シニア層や60代では、68.3%が同様の意欲を示し、経験を活かした自由な働き方を求める傾向が強くなっています。若い世代には行動の指針を、シニアには具体的な再設計支援が必要です。
4. 給与への不満
働き方の不満で最も多いのは給与が低いという点で、58.3%の人が指摘しています。また、高収入を今後のキャリアで得ることが最重視されながらも64.7%が何も行動していない矛盾が浮き彫りになっています。これは心理的障壁やシステムに起因するもので、個人が自由にキャリアを構築できるような環境づくりの重要性が求められます。
まとめ
テックビズの調査は、現代の労働市場における意識や行動の違いを示す重要なデータとなりました。企業や個人のキャリア支援の方向性は、世代ごとの違いを把握し、効果的なプログラムを通じて解消するべきです。多様な働き方の選択肢を提示するだけでなく、具体的な支援策の充実が求められるでしょう。
今後もテックビズは、幅広いキャリア支援を通じて、すべての世代が自分らしく働ける環境の実現に向けて努力していきます。