テラスペース、カイロスロケットによる新たな宇宙サービス
テラスペース株式会社(以下、テラスペース)とスペースワン株式会社は、2024年に予定されているカイロスロケット3号機による70キロ級超小型衛星"TATARA-1R"の打上げに関する契約を締結しました。この打上げは、京都府京田辺市から実施され、テラスペースにとっては重要なサービス実証実験の一環です。
背景と目的
2024年12月には、カイロス2号機に搭載予定だった初代TATARA-1衛星の打上げがミッション未達成のため果たせませんでしたが、今回はそのリベンジとしてTATARA-1Rが開発されました。この新型衛星は、先代のヘリテージやリソースを活用しながら、約1年で完成されました。目指すのは「年間1回以上の打上げサービス」を実現することです。
軌道上サービス実証実験の内容
TATARA-1Rの打上げ後には、以下の2つのサービス実証実験が行われます:
1.
人工衛星軌道投入サービス
このサービスでは、超小型衛星を軌道上で分離し、さまざまな投入軌道ニーズに応えることができます。通常のロケットによる放出では実現できない多様な軌道に対応可能。また、キューブサット用放出機ポッドを搭載しており、これによって複数の衛星を異なる軌道に同時に投入することを試みます。
2.
ホステッドペイロードサービス
依頼を受けた宇宙用部品やデバイスを搭載し、軌道上で実証や運用を行います。このサービスは、宇宙ビジネスの拡大に伴うニーズに応じて、今後ますます重要な役割を果たせると期待されます。たとえば、JAXAによって開発された衛星レーザ測距用小型リフレクター"Mt.FUJI"など様々なホステッドペイロードが搭載されます。
企業の戦略
テラスペースは、「宇宙をより身近に」をモットーにしており、軌道上サービスを通じて新たなビジネスモデルの確立を目指しています。今回の2つのサービスは、年間1回以上の頻度で提供される予定で、ユーザーにとってより迅速で簡易な軌道サービスの提供を行う構想です。
今後の展望
テラスペースとスペースワンは、これまでの技術力を結集し、より多くの衛星を多様な軌道に投入することで、宇宙産業の未来に貢献していく考えです。これにより、各種サービスのコスト削減及び運用機会の拡大を目的としています。
会社概要
テラスペース株式会社
- - 所在地: 京都府京田辺市田辺中央1丁目5-5 橋本ビル2-C
- - 代表者: 代表取締役 北川 貞大
- - 公式サイト
スペースワン株式会社
- - 所在地: 東京都港区芝公園1-2-6 ランドマーク芝公園6F
- - 代表者: 代表取締役社長 豊田 正和
- - 公式サイト
これからのテラスペースの活躍に注目です。