Sayari Japan Conference 2025が初開催
2025年7月15日、Sayari Labs, Inc.が主催する「Sayari Japan Conference 2025」が開催されました。このカンファレンスでは、経済安全保障に関する情報が多角的に共有され、様々な業界から173名が参加しました。特に輸出入を行う企業からの関心が寄せられ、経済安全保障の最新情報について学びました。
経済安全保障と日本の役割
開会に際し、在日米国大使館の商務担当公使であるアラン・ターリー氏が「日米協力の重要性」と題した挨拶を行い、双方の信頼に基づくサプライチェーンの重要性を述べました。この場を通じて、日米の連携がどのように強化されるかが語られました。
続いて、Sayariの日本代表である草羽宏和氏が、自社が日本市場に参入した経緯について言及しました。彼は、最近の地政学的リスクや経済安全保障の重要性を訴え、貿易データに基づいたサプライチェーン分析ツールの必要性を強調しました。Sayariが提供するソリューションを通じて、日本企業のリスク管理パートナーとしての地位を確立したいという意欲も表明されました。
基調講演で語られた内容
カンファレンスでは、経済安全保障に関する基調講演が二つ行われました。最初に国際協力銀行の取締役会長である前田匡史氏が「経済安全保障の最前線」をテーマに講演し、国際的な連携の背景や日本企業が直面する課題、今後のサプライチェーンの強靭化に向けた視点を示しました。参加者はメモを取りながら、熱心に内容を吸収していました。
次に、経済産業省の貿易経済安全保障局長である成田達治氏が「経済安全保障政策の動向」について説明。大国間での技術の囲い込み競争が進む中、経済安全保障の懸念をどのように捉えるべきかを共有しました。また、今後は官民間の対話を重視し、連携を深めることの重要性が強調されました。
テクノロジーとリスク管理の新潮流
基調講演の後、TPGのパートナーであるマイク・ザパート氏は、AI技術がサードバーティリスクの管理をどのように変革するかについて解説。Sayariのソリューションが、今後の規制環境において企業が直面する課題を克服する手助けをすることが期待されています。
特別対談と活発な意見交換
特別対談では、地経学研究所の所長、鈴木一人氏とSayariのCOO、ベンジャミン・パワー氏が、国際的な対策と政策ツールの進化について談笑しました。鈴木氏は、経済安全保障リスクに対する経営者の理解が深まりつつあると述べ、国家レベルでの政策整備への期待を寄せました。
一方、パワー氏からは、米国での動向や新たな規制の可能性についての考察が紹介され、グローバルな視点からの政策動向が議論されました。
むすび
Sayari Japan Conference 2025は、輸出管理やサプライチェーンマネジメントに関心のある多くの企業の関係者が参加し、情報交換が盛況でした。Sayariは、透明性の高いリスク分析と経済安全保障戦略を国内外で推進し、企業や政府機関とのパートナーシップをさらに強化していく意志が示されました。今後のイベントでも、同社の活動から目が離せません。
開催概要
- - 日時: 2025年7月15日(火)15:00~18:00
- - 場所: コモレ四谷タワーカンファレンス
- - 主催: Sayari Labs, Inc.
- - 後援: 在日米国大使館商務部
Sayariは2015年に設立され、独自の企業間取引データを基準にしたリスク管理において、透明性の高いソリューションを提供している企業です。今後もその成長と活動に期待が寄せられます。