矢崎エナジーシステム、富士通アイ・ネットワークシステムズの株式を取得
矢崎エナジーシステム株式会社は、富士通アイ・ネットワークシステムズ株式会社(以下、FINET)の全株式を取得し、同社をグループ会社化したことを発表しました。この決定は、通信用の製品を中心に、エネルギー関連事業の拡大を目指すものです。
1. 株式取得の目的と背景
矢崎エナジーシステムは、電力やガスといった多様なエネルギー関連製品を提供しており、エネルギーインフラの分野での事業を拡大しています。エネルギー社会が変化しつつある中で、同社はこの状況をチャンスと捉え、「あらゆるエネルギーの総合プロデュース企業」として、社会に貢献することを目指しています。
FINETはスマートメーター用の通信ユニットなどを製造・販売しており、特に電力会社向けへのビジネスが展開されています。最近では通信インフラの進化や人手不足を背景に、電力メーターやガスメーターのスマート化が急速に進行中です。このような市場の動向に対応するため、矢崎エナジーシステムはFINETを傘下に持つことで、事業基盤の強化を図ります。
2. 期待されるシナジー効果
今回の株式取得を通じて期待されるシナジーは以下の通りです:
矢崎グループの持つ自動車部品やガスメーター、電線の開発力、および販売網を活用し、製品開発と供給体制の強化が見込まれます。
矢崎エナジーシステムの既存ネットワークを活かし、よりきめ細やかなサービス提供が可能になります。
ガスの計量技術と通信技術を活用し、電力・ガスの共同検針が可能な新たなサービスの創出を目指します。
自動車産業が進化する中で、矢崎グループの電装部品技術を利用し、将来的には自動車用EMS事業への展開も検討しています。
自然災害のリスクが低い地域を拠点に、重要な物流機能を担う場所としても活用する方針です。
3. 株式取得の概要とFINETの企業情報
株式の取得日は2025年7月4日で、取得対象であるFINETの発行済株式のすべてを取得します。
FINETの基本情報は以下の通りです:
- - 社名:富士通アイ・ネットワークシステムズ株式会社(商号を矢崎ネットワークシステムズ株式会社に変更予定)
- - 設立日:1943年10月18日
- - 本社所在地:山梨県南アルプス市有野3346
- - 代表者:社長 多田 真敏
- - 資本金:1億円
- - 事業内容:ネットワーク関連製品の製造、キッティングサービス、顧客ネットワーク構築支援
- - 従業員数:304名(2025年4月末現在)
- - 売上高:142億円(2025年3月期)
- - 主な拠点:本社工場(山梨県南アルプス市)
結論
この株式取得は、矢崎エナジーシステムにとって新たな成長戦略の一環として位置付けられ、エネルギー分野における総合的なサービス提供の強化が期待されます。