Veevaが「Service Center」を発表
ライフサイエンス業界向けのSaaSプロバイダ、Veeva Systemsが新機能「Service Center」を自社の次世代顧客関係管理(CRM)システム「Veeva Vault CRM」に追加しました。この取り組みは、製薬業界におけるインサイドセールスやコンタクトセンターの運営、そしてリアルとリモートの両方を通じた医療従事者とのコミュニケーションをサポートすることを目的としています。
この「Service Center」には、ケース管理やオンライン通話をはじめとする多様な機能が用意されており、医師や医療従事者との連携強化を図ります。また、医療業界特有の同意取得やサンプル提供機能も充実しており、製薬企業のニーズに的確に応えます。Microsoft 365とのシームレスな統合により、Microsoft TeamsやOneNoteでの情報共有やコラボレーションを促進し、業務の生産性を向上させる効果が期待されています。
Vault CRM Suiteとその機能
「Service Center」は、Vault CRM Suiteの一部であり、このスイートには顧客管理が行える「Vault CRM」、マーケティングキャンペーンを効率よく管理する「Campaign Manager」などが含まれています。業務チームは、単一のVaultプラットフォームを利用することで、一元化されたデータと情報を基に業務を展開できるため、顧客とのやり取りがよりスムーズになります。
たとえば、営業チームとマーケティングチームが連携してキャンペーンを行い、効果的なアウトリーチ活動を実現することが可能です。このような協力によって、顧客体験が飛躍的に向上し、各部門間の情報の壁が取り除かれます。
特徴豊かなアプリケーション
Vault CRM Suiteは、ライフサイエンス業界特有の機能を搭載したアプリケーション群から構成されています。以下は主な機能です:
- - Vault CRM: 従来のCRM機能を拡張し、リアルタイムでのデータ更新が可能です。
- - EngageおよびApproved Email: チャットやビデオ会議ができ、コンプライアンスを意識したコミュニケーションツールも揃えています。
- - Events Management: イベントの計画や管理が効率的に行える管理機能を提供。
- - Align: 顧客データやフィードバックを基に、迅速なフィールド計画と管理を実現します。
- - Campaign Manager: 2024年12月にリリース予定のこの機能により、マーケティングチームはフィールド担当者との連携を強化し、効果的なキャンペーンを実施できます。
- - Vault Direct Data API: 従来のAPIよりも圧倒的にスピードが向上しており、AI関連のプロセスもサポートします。
導入の進捗
VeevaのCRMを利用する企業は2024年4月から一般提供が開始され、すでに15社以上が導入を進めています。さらに今年第4四半期からは中小規模の製薬企業向けの移行も始まる予定です。グローバルにおいても、大手製薬企業が2025年の早い段階でこのCRMシステムに移行する見込みです。
経営陣のコメント
Veevaのコマーシャル戦略担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、Matt Farrell氏は「Vault CRM Suiteの統合は、営業、マーケティング、メディカル、サービス部門を結ぶ架け橋であり、顧客中心主義の実現を目指している」と述べています。これにより、業界全体において顧客との関係構築がより効果的に行われると期待されています。
Veeva Vault CRM Service Centerの詳細に興味を持った方は、公式サイトをご覧ください。さらに最新情報はLinkedInで確認できます。