NPOカタリバが立ち上げた「キッカケプログラム」とは
NPOカタリバが新たに導入した「キッカケプログラム」は、経済的に困難な家庭の子どもたちに、インターネットを活用した学びの機会を提供することを目指しています。厚生労働省の調査によれば、日本の子供の貧困率は13.9%。このデータから、約7人に1人の子どもが経済的な困難に直面している現実が浮き彫りになります。特にひとり親家庭の母親の収入は、父親の約半分にあたる200万円とされています。これらのデータから、NPOカタリバはPCやWi-Fi環境が整っていないために、オンライン学習が受けられない子どもたちへの支援の必要性を認識しました。
プログラム内容と目的
「キッカケプログラム」では、PCとWi-Fiを無償で貸与する他、オンライン学習のサポートを行います。新型コロナウイルスの影響で休校が続く中、オンライン環境が整っていない子どもたちへの学びの方法を提供することがこのプログラムの目標です。ただ単にハードウェアを渡すだけではなく、無償貸与したPCの使い方や安全にインターネットを利用するための研修も実施しています。
学習支援が求められる理由
カタリバが現場での運用を通じて実感したことは、提供するPCやWi-Fiだけでは学習環境を構築することができないという現実です。初めてPCに触れる保護者や子どもたちから、「どう使うの?」や「壊してしまったかも」といった不安の声が寄せられました。ここからカタリバは支援の重要な要素として、保護者へのペアレンティングメンター制度を導入し、各家庭に合ったサポートを行うことにしました。
教育プログラムの有効性
さらに、東京大学や慶応義塾大学の教授たちと連携し、プログラムの有効性や改善点を検証しています。研究の結果を元に、政府への政策提言まで行い、より良い教育環境の実現に向けた活動を展開しています。
新たな「奨学プログラム」の導入
最近では「キッカケプログラム」のユーザーが多様なデジタル教材を利用できる「奨学プログラム」がスタートしました。このプログラムでは、AIドリルやスカイプ英会話などの教材から選んで申し込み、その後の審査を経て利用が可能になります。子どもたちに合わせた個別支援を行い、学力向上につながるような仕組みを構築しています。保護者からは「兄妹で毎日Qubenaを使う習慣ができた」「すららで数学のテストで100点を取りました」といった喜びの声も寄せられています。
企業・団体への支援呼びかけ
カタリバでは、「キッカケプログラム」を応援する企業や団体を募集中です。サービス提供や寄付を通じて、子どもたちの未来を支える活動にご参加ください。
NPOカタリバの理念と活動
この団体は、様々な環境に生まれ育った子どもたちが、未来を自ら創造する力を育めるような社会の実現を目指しています。設立以来、多様な教育支援活動を展開しており、今後も変化する社会に適応したサポートを提供していく予定です。
参考
NPOカタリバ公式サイト