360°天球画像で技術継承を支援!「ミテツグ」登場
森永製菓株式会社が新たに始めたサービス「ミテツグ」は、中小企業が抱える課題解決に取り組む画期的なアイデアです。2023年9月8日から本格的なサービス提供が開始され、特に技術継承や人材育成を目指す中小企業にとって、重要な支援となることでしょう。
「ミテツグ」とは何か?このサービスは、360°天球画像という全方位から撮影された写真を駆使し、工場や設備、技術・手順を視覚的に表示します。この「見える化」が、事業継承や人材教育、さらには企業のPRに役立ち、中小企業特有の属人化問題を解決する手段となります。
1. 属人化情報の「見える化」
中小企業では、特定のキーパーソンに技術やノウハウが依存しがちです。この問題を解決するためには、情報を体系的に整理し、誰もが理解できる形にする必要があります。「ミテツグ」は、使用する360°天球画像に、関連する書類や動画を組み合わせることで、各種情報を直感的に探し出す手助けをします。
例えば、食品工場であれば、衛生管理や製造プロセスの詳細を視覚的に訴えることで、新しいスタッフが迅速に業務を理解できるように導いていきます。また、現場に埋もれているノウハウを見える形にすることで、企業内の情報共有が進み、組織全体のパフォーマンス向上にも寄与します。
2. 簡単に導入できるステップ
「ミテツグ」の導入は、非常にシンプルです。
- - ステップ1:専用カメラを使って360°写真を撮影します。
- - ステップ2:撮影した写真に、書類や動画を簡単にアップロード。
- - ステップ3:これらの情報を関連付けて、企業内での活用を促進。
これにより、例えば日常業務での課題解決を図るアプリの紹介や、動画マニュアルの作成支援、さらには工場建築に関する伴走支援など、複数のオプションも用意されています。
3. 実際の導入事例
すでに「ミテツグ」を導入した企業もあります。例として、小浜食糧株式会社では、工場長の豊富な経験やノウハウが360°画像で一目で理解できる形式に整理され、業務の効率化が図られています。
金澤常務は、「見える化された情報により、今まで曖昧だった作業手順が具体的に見えるようになりました。特に、旧来の伝達方法では難しかった事項を直感的に理解できるようになったことは大きな進歩です」と語ります。
また、吉田工場長も「視覚的に情報が整理されることで、構造的に次世代へ伝承できる体制が構築されました。言葉では伝えきれない情報を写真や動画で示すことで、全員が同じ理解を持てるようになったのです」とその利点を強調しています。
4. 今後の展望
「ミテツグ」は単なる技術伝承の道具ではありません。このサービスを通じて、食品工場の知見を活かして、他の業界にも活用できる汎用性を持つツールとなる可能性があります。今後は、より多くの中小企業と連携し、それぞれが抱える課題に専門的に寄り添うことで、日本全体の製造業の底上げに貢献していくことを目指しています。
「見て→継ぐ」というサービス名には、単なる技術の継承だけでなく、未来の企業と連携し共に成長していくという願いが込められています。森永製菓が日本のものづくりを支え、未来の企業とともに歩んでいけるよう努めていくことでしょう。