神戸市がパーソナルデータを活用したオンライン申請を実証導入

神戸市での新たな試み

兵庫県神戸市が2025年から「パーソナルデータを活用したオンライン申請」の実証実験を始めることが、TKC株式会社の協力により発表されました。今回はこの画期的な取り組みの詳細をお届けします。

実証実験の目的と背景

このプロジェクトは、総務省が推進する「自治体フロントヤード改革モデルプロジェクト」の一環として位置づけられ、神戸市の行政手続きの効率を高めることを目指しています。神戸市では、パーソナルデータの活用により、ユーザーの負担を減らすアクセシビリティ向上と、行政職員の業務の効率化を連携させ、全体の最適化を実現することを狙っています。

実証実験の内容

実証に用いられる「e-KOBE」というスマート申請システムを通じて、市が保有する市民のパーソナルデータが活用されます。具体的には、申請者の情報はオンライン申請の際に自動的に入力され、申請が適格かどうかも自動でチェックされる仕組みです。この方法により、不備のある申請を減少させることが期待されており、結果として市民と職員の双方にとっての負担軽減が認められるでしょう。

施策の意義

この新しい申請方式は、神戸市の住民がよりスムーズにサービスを利用できるようにするだけでなく、政府のデジタル化政策の一環としても重要です。TKCは、この取り組みを通じて、「行政効率の向上」と「住民福祉の増進」に寄与するという理念を貫いています。実証実験の成功を受けて、神戸市は2026年度までに新しいサービス提供の計画を進めるとしています。

TKCのビジョンと取り組み

TKCは創業以来、会計事務所と公共団体の二つの分野に特化した情報サービスを提供していますが、近年はデジタル技術の活用にますます注力しています。特に、行政手続きのデジタル化は重要視されており、約70の地方自治体が同社の「TASKクラウドスマート申請システム」を利用しています。このシステムは、オンラインでの申請手続きのみならず、電子署名やオンライン決済など、全てをデジタルで完結させられることが特徴です。

未来への展望

今後、TKCはオンライン申請システムの機能強化を進め、2030年までに200の団体への導入を目指しています。また、地方自治体の行政業務のデジタル化を進めることで、新しい価値を創出し、地域社会の発展に貢献することを掲げています。

このプロジェクトを通じて、神戸市が目指す『行かない窓口』の実現を果たし、全国の自治体におけるデジタル化の先駆けとなることを期待しています。