福島の木造スタジアム
2025-08-30 18:15:57

福島に新たな希望を築く、循環型木造スタジアムの構想

福島に築かれる循環型木造スタジアムの構想



福島県に新たに誕生するサッカークラブ「福島ユナイテッドFC」のホームスタジアムは、建築系スタートアップのVUILD株式会社の手により実現へと向かっています。今回公開されたこのスタジアムの構想は、地域住民の参加を基にした復興のシンボルとして位置付けられ、持続可能な社会のあり方を指し示す「リジェネラティブ(再生型)」設計を採用しています。

復興の象徴である木造スタジアム



福島ユナイテッドFCは2011年の東日本大震災の影響を受けた地域の復興と共に歩んでおり、新スタジアムの設計にはその精神が色濃く反映されています。新しいスタジアムは、クラブのエンブレムに描かれた「不死鳥」を象徴するように、希望と再生を感じさせるデザインを目指しています。このスタジアムは、震災による甚大な被害を受けた福島からの力強いメッセージとして、世界に誇れる存在となることを狙っています。

福島の木を使用し地域参加で建設



VUILDは日本の伝統的な「式年遷宮」の理念を参考にし、地域参加、資源循環、技術継承を通じて持続可能な建築を目指しています。建設に使用される材料は福島県産の木材で、スタジアムはその木材を積層して形成されます。この設計により、各部材は分解可能で再利用も可能な構造となっており、地域資源のサステナブルな活用が奨励されます。

また、クラブ関係者や地域住民が「お祭り」のように参加して製作に関わる仕組みも設けられており、地域に根ざした文化・技術の次世代への継承も考慮されています。こうした挑戦によって、持続可能な循環が実現されることを目指しています。

盆地型気候を活かしたエネルギーの循環



スタジアムデザインには福島の盆地型気候を活かしたパッシブデザインが採用されています。屋根の形状によって夏は日射を遮り、冬には冷風を防ぐ設計を行っています。加えて、外壁の形状変化による自然の風を取り入れ、集水した雨水を再利用することで、エネルギーの自給自足を実現しようとしています。

このような施策により、消費エネルギーの削減に加え、地域で生産された再生可能エネルギーを蓄えて持続可能性を向上させる狙いがあります。最後には、持続可能性を評価する世界基準の「Living Building Challenge」の取得も視野に入れています。

建築計画の詳細



スタジアムは約5000席の規模を考慮し、技術的には「小断面を周回させる」というコンセプトで設計されています。これにより、コストを抑えつつも工事のしやすさが向上し、「ヒューマンスケールのスタジアム」の実現が可能になっています。平面計画では建物を3000㎡以下に分割し、準耐火建築物として機能します。

また、構造設計ではHPシェルという合理的な形態を採用し、複雑な形状をシンプルなシステムで解決することを目指しています。屋根の構造は軽量化しながらも高い耐力を持ち、地域材を活かした持続可能性を実現します。このようにして、スタジアムは地域の伝統的な建築様式とも調和していきます。

環境設計への配慮



自然エネルギーを最大限に活用するための環境設計にも重点が置かれています。雨水の再利用システムや空調負荷を軽減する設計を取り入れ、全体のエネルギー消費を抑える工夫がされています。特に、冬季に貯蔵した氷を夏の冷房に活用する取り組みは、地域資源を反映した持続可能な試みです。

まとめ



福島に位置するこのスタジアムの計画は、ただの施設建設ではなく、地域の人々と共に復興を目指すプロジェクトとして展開されています。この取り組みを通じて、福島の未来への希望と夢を実現する一助となることが期待されています。皆さまからのご支援を引き続きお願い申し上げます。


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会社情報

会社名
VUILD株式会社
住所
神奈川県厚木市下依知1丁目7-24
電話番号
050-1724-2017

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