大手消費者金融の金利問題と利用者の返済実態
ポート株式会社が2025年7月に発表した調査によると、大手消費者金融の利用者たちは金利に対して多くの負担を感じていることが明らかになりました。この調査は、東京都新宿区に本社を置くポート株式会社が、20~60代の男女509人を対象に実施したものです。
金利に関する実態
調査結果によると、大手消費者金融の金利が「高い」と感じる割合は74.3%に達しました。この数字は、多くの金融サービスが利用者の生活にしっかりと影響していることを示しています。
例えば、アコムの金利は年3.0%から18.0%と幅があり、契約極度額(利用枠)によって異なるため、多くの利用者がその負担を感じている様子がうかがえます。一般的に、消費者金融の金利は銀行ローンと比べて高く設定されているため、経済的な負担が大きくなることは否めません。
その一方で、消費者金融は短期間で利用審査が行われ、必要な資金を迅速に手に入れられる利点もあり、金利が高めでも「妥当だ」と感じる人もいるのが実情です。
追加返済の実態
さらに驚くべきことに、調査対象者のうち268人が「利息負担を抑えるために追加返済を行っている」と述べています。これは、金利の負担を軽減し、借入れを早期に返済するための有効手段として定着していることを示しています。追加返済、または繰上返済と呼ばれるこの方法は、約定返済額を上回る金額を返済することで、返済期間を縮めることが可能です。
大手消費者金融の一部では、無利息期間を設けているため、こうした特典を利用することで、利息を抑えた返済を行うことができると多くの人が認識しています。
滞納の実態
しかし、利息の重圧に悩む利用者の中には、返済日を過ぎて滞納するケースも珍しくありません。調査によると、回答者の30.5%は「1日以上滞納したことがある」と報告しています。滞納経験者の中には、督促を受けてすぐに返済を行った人が多いようで、実際に返済が解消されたのはほとんどが1週間以内だったといいます。滞納を避けるために、返済スケジュールの調整や口座振替の設定を行うことが有効である、と多くの利用者が意見しています。
滞納を避けるための工夫
調査の結果、滞納を防ぐための対策を講じている人が多数います。特に多かったのは「給料日直後に返済日を指定する」という方法であり、これにより返済額を確実に確保できるようにしています。また、最近ではスマートフォンアプリを使った返済管理が評価されています。
しかしながら、全体の12%にあたる61人は特に対策を行っていないと回答しています。今後、消費者金融の利用者が増える中で、この差がどのように解消されていくのかが注目されます。
調査概要
- - 調査対象: 大手消費者金融を利用したことがある20~60代の男女509人(男性316人・女性193人)
- - 調査方法: インターネット調査
- - 調査期間: 2025年6月19日~2025年6月23日
- - 有効回答数: 509人
- - 調査実施者: ポート株式会社 ファイナンスメディア事業部
この調査結果をもとに、今後の金融政策や消費者教育のあり方に対する議論が期待されます。