愛知県豊田市が24時間対応の傾聴AIによる健康相談を開始

愛知県豊田市が取り組む傾聴AIによる健康相談

愛知県豊田市は、全国初となる24時間対応の「傾聴AIによるこころの健康相談」の実証実験を2023年8月18日から開始しました。この取り組みは、深刻化する自殺問題に対抗するためのもので、特に若年層に向けた新しい支援の形を提供します。

日本の自殺問題：深刻な現状

日本では、自殺者数が年々増加し、20,000人以上が自ら命を絶っています。特に、10代から20代の若者においては、自殺が主要な死因となっています。2024年のデータによると、学校に通う小中高生の自殺者は529人に上り、これは過去最多を記録しました。また、女子中高生の自殺率が顕著に増加していることも、大きな社会問題となっています。

従来の相談体制の課題

こころの健康に関する相談を必要とする方々の中には、電話や対面での心理的ハードルを感じ、相談が難しいと感じる人が増えています。特に、不安を抱える方々に取って、従来の相談方法が障壁となっている場合が多いです。加えて、SNSを利用する若い世代は、テキストベースでの非対面コミュニケーションを好んでいます。このような状況を受け、豊田市はAIを活用した新たな相談方法を模索してきました。

実証実験の概要

2023年9月10日から16日の「自殺予防週間」に先立ち、実証実験が開始されます。この期間中は、従来の相談窓口にアクセスできなかった「隠れた当事者」にアピールすることを目指します。実施期間は2023年8月18日から11月17日までで、豊田市内に住むこころの健康に不安を感じる方々が対象です。

AI相談システムの機能

このシステムは、いつでもどこでも相談できるデジタル空間を提供し、相談者の悩みを受け止め、必要に応じて行政窓口へと自動で連携します。

確かな効果と今後の展望

ZIAIの傾聴AIでは、相談者が「死にたい」や「消えたい」と感じる声が寄せられています。その多くは家族や友人に伝えられない思いであり、匿名で相談できるAIの存在は、彼らにとって貴重な息抜きとなっています。ZIAIでは、AIによる相談から、ネガティブな感情が約20%軽減されることが確認されていますが、これが根本的な解決に繋がるわけではありません。今回の実証実験では、AI相談の後に、豊田市の専門家によるサポートへと繋がる仕組みを強化していきます。

株式会社ZIAIについて

ZIAI（ジアイ）は、メンタルヘルス向上を目指し、非営利のAI研究機関からスタートし、その傾聴AIアルゴリズムを社会実装に向けた事業会社へとスピンアウトしました。ZIAIは、2030年までに誰もが悩みを手軽に相談できる社会を目指し、精神疾患や孤独問題への対策に取り組んでいます。

公式ウェブサイトでは、今後の活動や実証実験の情報を発信していく予定です。これからもZIAIの取り組みに注目し、心の健康をサポートするための新たな方法を探求していきましょう。

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