新たな時代の幕開け！大型製品向けインモールドコート技術の誕生

　自動車業界において、製造効率と品質向上は常に求められるテーマとなっています。その中でも、豊田合成株式会社と関西ペイント株式会社が共同で開発した「インモールドコート技術」は、特に注目に値するものであり、国内初の大型製品に適用可能な技術として位置づけられています。

インモールドコート技術とは？

　インモールドコートは、プラスチック部品の成形と同時に塗装を行う手法です。従来は小型製品向けに利用されてきましたが、今回の技術革新により、大型外装部品への適用が実現しました。これにより、自動車の外観デザインに新たな可能性が生まれることになります。

開発の経緯と特徴

　豊田合成が独自に開発した「大型製品向けの金型技術」と、関西ペイントの「塗料の材料設計技術」を融合させたことで、この革新的な技術が生まれました。主な特徴としては、次の点が挙げられます。
1. 国内初の大型外装部品の量産適用
2. 高い平滑性を持つ塗装面により、ガラスと一体化した Seamless な外観を実現
3. 高級感の演出や新しい造形デザインが可能に

他のメリットは？

　さらに、インモールドコート技術を採用することで、以下のような利点も得られます。

- 耐久性の向上：ウレタン塗料を使用することにより、洗車時の擦り傷が目立ちにくくなり、長期間にわたり美しい外観が保たれます。
- 環境への配慮：塗装ブースや乾燥炉が不要になるため、生産過程でのCO2排出を約6割削減することが可能になります。

市場への投入と今後の展望

　この新技術を活用した大型外装部品は、2026年春頃に市場に投入される予定です。豊田合成は、国内外の生産拠点にもこの技術を広め、競争力のある新たな加飾技術として位置づけていきます。未来的には、さらなる幅広い製品への応用を目指し、両社の協業を通じて魅力的な車づくりに貢献し、環境負荷の低減に努力していくとのことです。