LIPSによるSNSとコスメ購入に関する大規模調査
近年、SNSが消費行動に与える影響はますます大きくなっています。特に美容業界では、SNSを起点とした購買行動、「SNS売れ」が大きなトレンドとなっています。この度、美容プラットフォームアプリ「LIPS」を運営する株式会社AppBrewは、2840人を対象とした大規模なアンケート調査を実施。SNSとコスメ購入の実態を明らかにしました。
調査概要
調査は2024年10月21日から28日にかけて、LIPSユーザーの10代から50代までの男女2840人を対象に行われました。調査内容は、各SNSの使用状況、コスメ購入におけるSNSの影響度、タイアップ投稿の参考度合い、店頭でのポップシールの効果など多岐に渡ります。
各SNSの使用状況と購買への影響
調査によると、美容情報の収集に最も頻繁に使用されているのはLIPSアプリで95%と圧倒的でした。次いでInstagramが70%、YouTubeが59%という結果に。年代別では、若年層はTikTokの利用率が高く、年齢が高くなるにつれてYouTubeの利用率が増加する傾向が見られました。
各SNSの利用目的も明らかになりました。LIPSは写真付きレビューの充実度が評価され、Instagramはトレンドや色味の確認に便利とされています。TikTokは短編動画とコメント欄での意見交換が魅力で、Xは情報取得の速さが強み。YouTubeは商品の質感や全色比較など詳細な情報が得られる点が高く評価されています。
「TikTok売れ」の実態
近年注目されている「TikTok売れ」について、調査では全体の40%、10代では60%、20代では40%がTikTokの投稿を見てコスメを購入した経験があると回答。特にリップやアイシャドウなどのポイントメイクアイテムで顕著でした。
TikTokのタイアップ投稿については、若年層ほど参考にする割合が高く、10代後半からは「自分と近い人が集まっている居心地の良い場所」という意見も聞かれました。
その他SNSの購買への影響と広告への反応
Instagram、X、YouTubeでも購入経験を尋ねたところ、最も購買率が高かったのはYouTubeで75%でした。長尺動画による詳細な情報が購買行動に繋がっていると考えられます。
広告案件のPR投稿に関しては、InstagramとYouTubeで半数以上のユーザーが参考にする、と回答。これらのSNSではインフルエンサーへの信頼感が高く、PR投稿も前向きに受け止められる傾向が見られました。一方、Xは拡散力が高い一方、参考にするユーザーの割合は低めでした。
店頭販促におけるポップシールの効果
調査では、店頭でのポップシールについても注目しました。最も訴求効果の高かったのは「ランキング情報」、特に「No.1」などの冠は世代を問わず高い関心を集めていました。
まとめ
今回の調査から、SNSがコスメ購入に大きな影響を与えていることが改めて示されました。各SNSの特徴を理解し、ターゲット層に合わせた戦略的な活用が、ブランドにとって重要であることが明らかになりました。TikTokは若年層へのアプローチ、YouTubeとInstagramは信頼感を重視した情報発信、Xは話題作りに最適という結果に。
この調査結果は、コスメブランドだけでなく、様々な企業のマーケティング戦略に役立つ示唆に富んだ内容となっています。