食道癌の新技術
2025-02-17 11:21:48

慶應義塾大学が食道癌の予後を予測する新技術を発表

慶應義塾大学による食道癌の新たな予後予測技術



慶應義塾大学医学部の研究チームが、食道癌患者の治療に革命をもたらす新しい技術を発表しました。この研究の中心となったのは、手術前に血液中から食道癌由来の循環腫瘍DNAを検出し、患者の予後を予測できるというものです。

この技術は、リキッドバイオプシーという診断手法を使用しており、食道癌の原発巣と血液中に存在する遺伝子変異を照合します。これにより、微小残存病変(MRD)の有無を判定することが可能になりました。特に、食道癌は手術、化学療法、放射線治療が組み合わさる難治性の疾患であり、再発リスクの予測は治療戦略の根幹を成します。今回の発見は、患者一人ひとりに応じた的確な治療法を選定するための重要な手がかりになると期待されています。

研究を行ったのは、小林亮太助教、松田諭専任講師、川久保博文准教授、北川雄光教授、さらにがんゲノム医療センターの中村康平専任講師、西原広史教授を含むグループです。彼らは、食道癌の患者に対する適切な医療を進めるための努力を続けています。また、研究結果は、2025年に発表される予定のEuropean Journal of Surgical Oncologyに掲載されることが決まっています。

この成果は、すでに2023年2月には、Annals of Surgical Oncologyにて食道癌患者の手術後の血中循環腫瘍DNAの有用性について先行報告されています。これにより、食道癌に関連する新しい治療指針の確立に向けた基礎が築かれました。

現在、慶應義塾大学病院ではこの検査手法を利用した評価療養(先進医療A)が行われており、切除可能な進行食道扁平上皮癌を対象としています。これは、患者の生存率向上や再発予測に寄与することが期待されています。

この新しいリキッドバイオプシー技術が、食道癌治療の観点からどのように発展していくのか、今後の研究成果が待たれます。患者登録を進め、さらなるデータの蓄積が期待される中、この技術は今後の癌医療に大きな影響を与える可能性があります。

おわりに、慶應義塾大学の研究成果は、最新の技術を駆使して癌治療における新しい地平を切り開くものであり、患者とその家族に新たな希望をもたらすべく進められています。


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