視覚障害者の外出をサポートする新サービス「おともポイント」
視覚に障害のある方々が外出する際のサポートをする「ガイドヘルパーズ」が、経済的な負担を軽減するための新サービス「おともポイント」を2024年10月1日より開始します。このサービスは、一人ひとりの視覚障害者が安心して外出できる環境を提供し、より多くの人々が気軽に日常生活を楽しめることを目指しています。
「ガイドヘルパーズ」とは、視覚障害者とガイドヘルパーをつなぐウェブアプリケーションです。ユーザーは外出希望日時を設定し、その時間帯に利用可能なガイドヘルパーを探すことが可能です。また、即座に対応できるガイドヘルパーをリアルタイムで把握できる便利な機能も充実しています。現在、314名の視覚障害者と365名のガイドヘルパーが登録されており、月におよそ4,000時間以上の同行援護が行われています。
経済的負担の現状と「おともポイント」の導入背景
視覚障害のある方が外出を楽しむ際には、コンサートチケットやテーマパーク入場料、さらには旅行にかかる費用が必要です。これらは視覚障害者にとって、ガイドヘルパーの費用を上乗せする形で、かなりの経済的負担がかかる要因となっています。そのため、せっかくの外出をあきらめる方も少なくありません。
「おともポイント」の導入は、こうした経済的な負担を少しでも和らげるための試みです。このポイントシステムにより、視覚障害者の方々がより気軽に外出を楽しめるよう、支援体制を整えることを目的としており、より多くの人が楽しい時間を過ごせるサポートを提供します。
ポイント制度の詳細と交換方法
「おともポイント」では、ガイドヘルパーズを通じて利用された同行援護1時間につき100ポイント(約100円相当)が貯まります。貯めたポイントは、VISAギフトカードに交換可能で、カードの種類は3,000円、5,000円、10,000円、30,000円、50,000円の5種類です。交還は年に2回、5月末と11月末に受け付け、初めての交換は2025年5月末になります。ポイントに有効期限は設定されていないため、安心して貯めることが可能です。
現在はVISAギフトカードのみが交換可能ですが、将来的には視覚障害者支援向けの商品やサービス、NPOへの寄付などにポイントを使えるようにすることも視野に入れています。
会社の背景と取り組み
「株式会社おとも」は、視覚障害者の外出支援を専門とする事業を展開しており、東京都を中心にサービスを提供しています。ガイドヘルパーとなるための資格を学べるスクールや、視覚障害者向けの福祉用具の展示販売を行う店舗も運営しています。ガイドヘルパーの数は700名を超え、視覚障害者の外出を支える大きな力となっています。
代表取締役・鈴木貴達さんは、自らも母親が視覚に障害のある家庭環境で育ち、理解を深めるためにこの事業に取り組んでいます。月に10,000時間以上の支援が実現する中で、視覚障害者が外出をも楽しむ社会を目指し、様々な支援を続けています。
「おともポイント」によって、視覚障害者にとっての移動の自由と楽しみがより一層広がることを期待しています。