海の宝石箱、竜串湾を守る!
2025年10月4日、高知県土佐清水市にある足摺海洋館SATOUMIで、「高知オーシャンキッズスクール 西部エリア編 海の宝石箱 竜串湾を守ろう!」が開催されました。このイベントは、次世代へ美しい海を引き継ぐための日本財団『海と日本プロジェクト』の一環として行われました。
参加したのは、高知県内の小学生4名で、彼らは海の重要性とその生態系について学ぶ貴重な機会を得ました。竜串湾は、「海の宝石箱」と称されるほどの豊かな生態系を誇り、サンゴやウミウシ、魚類の種類の多さが特徴です。
イベントの目的と内容
このイベントの目的は、子どもたちに海の大切な生き物や環境問題について知識を深めてもらうことでした。参加者は、館内外での特別授業やガイドツアーを通じて、様々なテーマについて学びました。
地球温暖化の影響
最初に、山岸拓気象予報士が登壇し、地球温暖化が海に与える影響について解説しました。温暖化により、海水温が上昇し、サンゴの白化や魚の生息域の変化が生じることが説明されました。また、海面上昇や海の酸性化による悪影響についても伝えられ、子どもたちはどのように温暖化を食い止められるのかを考えさせられました。
竜串の生態系の紹介
新野大館長からは、竜串湾の美しさや独特の生態系が紹介されました。黒潮の影響から生まれた良好な水温と透明度、そして豊富な生物種がこの地の特長です。特に、竜串湾では約110種類のサンゴと、384種類のウミウシが確認されており、そのビジュアルの魅力から「海の宝石」と呼ばれる生命が豊かに息づいています。
プラスチック問題
また、美しい海にも問題があります。それは海洋プラスチックごみです。ウミガメがビニール袋を食べる危険や、ジンベエザメがプラスチックで傷を負う事例が紹介され、子どもたちはこの問題の深刻さを理解しました。
SATOUMIガイドツアー
講義の後は、新野館長が子どもたちを連れて館内を案内しました。彼らは水槽を通して、講義で学んだ生き物たちを直接観察し、更なる興味を引き出しました。
サンゴを守るための特別授業
次に、飼育員の太田優吾さんからサンゴに特化した授業が行われました。サンゴが動物に分類されることや、サンゴ礁が失われる影響についても深く掘り下げられました。特に、サンゴ礁は多くの生き物にとっての住処であり、津波から沿岸を守る天然の防波堤としての役割を果たしていると説明されました。
サンゴの減少には温暖化、オニヒトデの食害、そして人為的な破損が主な原因として挙げられます。この特別授業を通じて、子どもたちはサンゴを守るための具体的な行動の重要性を認識しました。
子どもたちの声
最後に子どもたちは、イベントの経験について振り返り、自分たちができることを考えました。「サンゴが動物だと知ったことに驚いた」「温暖化が海に与える影響について知れてよかった」との声が上がり、意識が高まった様子が伺えました。館長は、子どもたちに海の生き物に興味を持ち、広めてもらいたいと語りかけ、イベントの締めくくりをしました。
結論
このようなイベントを通じて、高知の海の生態系がどれほど豊かであり、私たちがそれを守る責任があるかを次世代に教育することが重要です。子どもたちが将来への希望を持てるよう、今後も継続的にこうした活動が求められます。