子どもの権利意識格差
2024-06-30 10:49:09
子どもの権利意識、学校現場で差あり!-教員と児童・生徒の認識格差が明らかに-
教員と児童・生徒の認識に差、子どもの権利意識に関するアンケート結果
日本ユニセフ協会が実施した「子どもの権利」に関する学校アンケートで、教員と児童・生徒の認識に差が見られました。このアンケートは、兵庫県立大学環境人間学部の竹内和雄教授の協力と監修のもと、2023年1月から3月にかけて、81校の小中学校の児童・生徒と教員13,573人を対象に行われました。
アンケートは、「体の健康」、「心の健康」、「学校での学び」、「安心な環境」、「意見表明」、「子どもの権利」の6つの分野について、それぞれ2つの質問で構成されています。児童・生徒と教員は同じ質問に回答し、その結果を分析することで、両者の意識の違いを明らかにしました。
分析の結果、「体の健康」や「学校での学び」に関しては、児童・生徒の方が教員よりもポジティブに評価していることが分かりました。一方、「心の健康」、「安心な環境」、「意思表明」の分野では、児童・生徒の評価は教員ほど高くありませんでした。
この結果から、学校における心の健康サポートの充実や、児童・生徒の意見表明を促進する環境整備の必要性が浮き彫りになりました。竹内教授は、今回の調査について、「先生と児童生徒、両方に同じ質問をしたことが画期的」と述べており、教員の「つもり」と児童生徒の「受け取り」のずれを明確にすることで、より良い教育活動の改善に役立つと指摘しています。
子どもたちの自己肯定感を育むために
近年、学校現場では「子どもの権利」を推進する取り組みが求められています。今回のアンケート結果は、教員と児童・生徒が「子どもの権利」を正しく理解し、その実現に向けた環境づくりを共に進めるための貴重な資料と言えます。
「子どもの権利」の視点を取り入れることは、子どもたちの自己肯定感を育み、安心して生き生きと過ごせる教育環境を築き、一人ひとりの可能性を最大限に引き出すことにつながります。
日本ユニセフ協会は、今後も竹内教授と連携し、本アンケートや研修の実施、ツールの開発を通じて、「子どもの権利を大切にする教育」を推進していきます。