QO株式会社が実施した認知症に関する調査
QO株式会社が運営するSocial Issue Lab(SIL)は、認知症に関する新たな調査を発表しました。この調査は、2025年には約5人に1人が認知症になると言われる状況を受け、当事者やご家族の不安や認識のギャップを明らかにすることを目的としています。
調査の背景と目的
SILは、QO株式会社が持つリサーチ技術を駆使し、社会の声を拾い上げる研究機関として活動を開始しました。これまでに「ジェンダーギャップ」や「震災支援」など、さまざまな社会課題に取り組んできましたが、今回は身近な問題として認知症をテーマに選びました。
この調査では、認知症に関する知識やイメージ、そして実際に認知症を抱える本人やその家族がどのような負担を感じているのかを探求しました。日本では高齢化が進んでおり、多くの人がこの病気に直面する可能性が高いため、正確な理解と共生の意識を育むことが求められています。
認知症に対する知識の実態
調査の結果、認知症に関する基本的な知識の浸透が不足していることがわかりました。例えば、認知症の初期症状には物忘れだけではなく、さまざまな症状があることを理解している人はおよそ4人に1人しかいませんでした。
多くの人々が「早期発見が大切」であることや「投薬治療が進行を遅らせる」といった知識を持っている一方で、その詳細や複雑さについての認識は不十分です。このことは、早期の治療や予防策を講じる上で大きな障害となっています。
認知症に対するイメージ
認知症に対するネガティブなイメージが広く存在し、「周囲に迷惑をかける」という恐れや「人生が真っ暗になる」という不安を抱く人が多数いました。調査に参加した85.4%が「周囲に迷惑をかけるのが申し訳ない」と感じており、83.8%は認知症になることへの強い恐れを示しています。このようなマイナスなイメージは、本人やその家族をさらに孤立させる要因となります。
また、認知症とその家族が直面する負担についても調査を行いました。本人は「迷惑をかける不安」や「自己喪失に対する恐怖」を感じる一方で、ご家族は「介護が続くことへの漠然とした不安」や「症状の進行に対する葛藤」を抱えています。これらが生活の質に大きな影響を与えることが明確になりました。
調査の意義
この調査の結果は、認知症に対する理解を深めるための重要な情報を提供します。社会全体がこの問題について真剣に話し合い、意識を変えていく必要があります。認知症は特定の人だけの問題ではなく、誰もが関わり得る社会的な課題です。ソーシャルレターでは、生活者や当事者の声に耳を傾け、共生の社会を目指すためのきっかけを提供しています。
QO株式会社は今後も社会課題に光を当てるため、継続的に研究を進めていく予定です。詳細については、QO株式会社の公式ウェブサイトで確認できます。
まとめ
認知症についての理解を深め、恐れから共生へと社会が変わっていく手助けとなることを願っています。この調査結果を通じて、より良い未来に向けた議論が始まることを期待しています。