金融業界向けクラウドシステムC-GOAT、迅速導入で効率化を実現

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社（以下、CTC）は、新たに金融機関向けのクラウド型市場系システム「C-GOAT(TM)」をリリースしました。このシステムは、債券取引や四半期ごとの決算処理を効率的に行うためのパッケージとして設計されており、金融業界における業務のスピードアップとガバナンス強化をサポートします。C-GOATの特徴は、クラウドサービスを活用することで、迅速な導入が可能であり、段階的にシステムを拡張していくことができる点にあります。価格は年間2400万円（税抜き）からと設定されており、特にアジア地域の金融機関や地方銀行を主なターゲットとしています。CTCは、今後3年で30億円の売上を見込み、C-GOATの普及を進めていく方針です。

債券管理は、金融機関にとって非常に重要な役割を果たしています。収益の把握やリスク管理に直結するため、特に中核拠点では高度な市場系システムが一般的です。しかし、アジア地域の拠点や地方銀行では取引量が抑えられていることから、既存の中核拠点と同じシステムを導入することで機能過剰や高コストにつながることがあります。また、各国の制度に対応した柔軟なシステム構築や地場システムとの連携が必要とされるため、現在も多くの金融機関では手作業に依存した債券管理が行われているのが現実です。

C-GOAT(TM)では、取引管理や決算処理の基本機能を網羅しつつ、国ごとに異なる利払いの計算方式や税制に柔軟に対応できるため、異なる業務要件を持つ海外拠点や地方銀行でも実践的に利用することが可能です。このシステムは、複数の拠点に分散していた管理情報を集約することで、さらなるガバナンスの強化や業務運用の標準化に寄与します。サブスクリプション型のサービスモデルを採用しているため、導入時の初期コストを抑えることができ、迅速に業務を開始することができます。

また、C-GOAT(TM)のクラウド基盤には、金融業界の厳格なセキュリティ要件をクリアしたCTCのサービス「C-NOAH」が採用されています。FISCガイドラインやPCI DSSに準拠した安全な環境で運用されるため、金融機関の信頼性を確保しつつ、ビジネスのスピードと効率を向上させることが期待されます。

CTCは、金融業界における大規模なシステムの構築や運用に関する豊富な経験と知見を生かしてC-GOAT(TM)の開発を進めてきました。今後は、為替やデリバティブ、デジタル債券など、さらなる金融商品への対応も視野に入れ、業務効率の向上とガバナンスの強化をさらに進めていくとしています。C-GOATを活用することで、金融機関はより柔軟で効率的な運営が可能となるでしょう。

C-GOATのイメージ