つくば市が挑む避難所入所受付のデジタル化実験
2025年1月21日、茨城県つくば市では避難所入所受付のデジタル化に向けた実証実験が行われました。この取り組みは、自然災害が頻発する中で、スムーズな避難を実現するための重要なステップです。
実証実験の背景と目的
近年、自然災害の増加に伴い、避難所の混雑を解消し、安全かつ迅速な避難手続きの重要性が高まっています。株式会社バカンは、様々な自治体で避難所入所受付のデジタル化を進め、これまでに200以上の自治体での導入実績があります。本実証実験では、避難者の入所受付を従来の紙媒体からデジタル方式に切り替えることで、効率的な業務運営を目指しました。
実証実験の概要
この実証実験には、つくば市役所の職員が参加し、バカンの開発した避難所マネジメントシステムが用いられました。受付は、次のような方法で行われました:
職員が事前に情報をアプリに登録し、QRコードを読み取ります。
QRを読み取った後、Webフォームに情報を入力します。
マイナンバーカードリーダーを使用します。
従来の方法では、避難者カードに手書きで記入が必要でしたが、今回の実験ではこれらの方法により、入所受付から名簿作成までの所要時間を大幅に短縮しました。
結果と評価
実験の結果、アプリを用いたQRコードの読み取りでは、平均してわずか3秒で入所受付が完了しました。これは従来の方法に比べ、14分の1という圧倒的なスピードです。また、Webフォーム経由でも平均4秒で受付が完了し、アプリのインストールが不要であるため、利用者にとっても大きな利点となります。特に、役27人に行ったアンケートでは、QR読み取りによるデジタル経路が92.3%の高評価を得るなど、スマートフォンを活用した方式への期待が高まっています。
今後の展望
バカンは、デジタル化の加速と共に、避難所における混雑状況のReal-time情報配信を強化し、避難者名簿の作成・管理や物資必要量の予測機能を追加していく計画です。今後も自治体との連携を深化させ、安全で効率的な避難サービスの提供を目指すとしています。
tami tamiアプリの機能
本実験で使用された「tami tami」は、地域交流の促進と災害時の避難所を円滑に利用するための多機能アプリです。避難者は事前に基本情報を登録することで、災害時にQRコードを読み取るだけで避難所入所が可能です。
まとめ
つくば市における避難所入所受付のデジタル化の実証実験は、今後の防災体制の向上に向けた重要な一歩です。このような取り組みが全国に広がり、さらなる安全と効率が実現することが期待されます。