LIFULL Investmentが示す不動産クラウドファンディングの信頼性とは

株式会社LIFULL Investmentが、運営する不動産クラウドファンディングサービスの登録会員を対象に実施した「不動産クラウドファンディングに関する意識調査」の結果が発表されました。この調査は、急成長を遂げている不動産クラウドファンディング市場において、投資家にとっての信頼性の本質を探るものです。

背景：不動産クラウドファンディング市場の現状

近年、不動産クラウドファンディングは個人投資家にとって手軽で身近な投資手段として注目を集めています。しかし、一部のファンドでは償還遅延が問題視され、運営会社やファンドの情報開示が投資判断に与える影響が増大しています。さらに、国土交通省は今後の不動産特定共同事業のあり方について検討を進めており、一般投資家向けの情報開示の強化が求められています。

このような背景を受け、LIFULL Investmentは投資家が何を重視し、どういった基準で「信頼できる」と感じるのかを明らかにするため、今回の調査を実施しました。

調査結果の概要

調査の結果、以下のポイントが明らかになりました。

1. 不動産クラウドファンディングサービスを選ぶ際の決め手は「事業者の信頼性」。
37.5%の回答者が「事業者が信頼できるか」を最も重視していると回答。これは、商品特性上元本保証がないため、運営者の信頼性が投資判断の重要な要素であることを示しています。

2. 信頼性を判断する基準は「情報の透明性」。
投資家はサービスの信頼性を「情報の透明性」として71.6%が挙げました。ファンドの運営会社の実績よりも、情報開示の姿勢が信頼を築く鍵になっています。特にインターネットで取引が完結するクラウドファンディングでは、運営者がどのようにリスクについて誠実に情報を開示するかが重要です。

3. 出資するファンドを選ぶ決め手は「利回り」。
47.0%が「利回りの高さ」を重視。高利回りを求める傾向が強いものの、「安全性と利回りのバランス」を重視する声も多く見られました。利回りだけでなく立地や出資比率も考慮し、リスクとリターンのバランスを気にかける投資家が多いことが分かりました。

専門家の見解

LIFULL 不動産クラウドファンディングの業務管理者は、今回の調査結果が「高利回りを期待するだけでなく、透明性のある情報開示を重視している」ことを強調しました。また、2025年度の国内新規ファンド数が875件に達する見込みである中、ファンドのリスクを理解することがますます重要になると指摘しています。