はじめに
三菱総合研究所(MRI)は、GHGプロトコルの新たな報告枠組み「Actions and Market Instruments(AMI)」に関する意見を提出しました。この提出は、企業の温室効果ガス(GHG)算定実務や脱炭素経営の取り組みを深く考察したものであり、より持続可能な社会を目指すための一歩となるでしょう。
GHGプロトコルの重要性
GHGプロトコルは、企業の温室効果ガス排出量を算定し、報告するための国際基準です。現在、この基準は見直しが進められており、特にAMIの導入が注目されています。このAMIは、企業が低炭素製品の調達や証書・クレジットの活用を通じて、どのように温室効果ガス削減に貢献できるかを整理するための枠組みです。
AMI Phase 1 White Paperの概要
AMI Phase 1 White Paperでは、従来の物理的なGHGインベントリを基にしながら、新たな報告構造が提案されています。これには、物理的GHGインベントリ、マーケット基準GHGインベントリ、GHGインパクト・ステートメント、非GHG指標の4つのステートメントが含まれ、企業の脱炭素行動に対する透明性を高めることを目指しています。
脱炭素行動の多様性
特に注目すべきは、これまで主にScope 2で利用されていたマーケット基準の考え方が、Scope 1やScope 3にも適用される可能性がある点です。これにより、企業は自社の排出量だけでなく、供給チェーン全体における脱炭素に対する貢献を報告することができるようになります。
脱炭素の透明性
三菱総合研究所が提出した意見の中で、特に重要なのは、マーケット基準GHGインベントリをScope 1やScope 3に拡張する際のダブルカウント防止や、ステートメントの境界整理の重要性です。また、GHGインパクト・ステートメントにおける製品由来の回避排出量の取り扱いについても、透明性を求める声が高まっています。
提出した意見の要点
三菱総合研究所の意見の中で強調されたポイントは以下の通りです:
- - マーケット基準GHGインベントリ:Scope 1・3への拡張にあたっては、ダブルカウント防止や属性移転の条件に配慮する必要がある。
- - GHGインパクト・ステートメント:回避排出量などの算定方法の透明性を確保し、クレジットや証書の取り扱いを明確にすることが求められる。
- - 非GHG指標:地域やセクターに応じた適切な指標を整理し、一般的なカテゴリと考え方を示すこと。
- - 必須・任意の整理:新たなステートメントを義務化することが過度な負担にならないよう、現時点では任意とすることが望ましい。
今後の展望
三菱総合研究所は、GHGプロトコルの改定についての意見や知見を提供するだけでなく、脱炭素経営をサポートするための調査・助言にも取り組んでいます。今後もこのテーマに関する研究を続け、日本企業が直面する課題やチャンスを整理し、より持続可能な未来への道を開いていくことでしょう。
結び
GHGプロトコルの改定に対する三菱総合研究所の取り組みは、日本だけでなく世界的にも重要な意味を持つものです。脱炭素社会の実現に向けたこの動きは、今後の経済やビジネスの在り方に大きな影響を与えることが期待されます。