国産画像生成AI「oboro:base」の開発と公開
AiHUB株式会社(本社:東京都)は、最近、国産のフルスクラッチ開発による実写系画像生成AIの事前学習モデル「oboro:base」を発表しました。これに伴い、同社は日本語の技術報告書を自社のウェブサイトで公開し、国際的な研究プラットフォームであるarXivにも英語版の報告書を掲載しました。
背景
日本のアニメ業界は、長年にわたり世界的な人気を誇っていますが、制作現場ではクリエイター不足が深刻な問題となっています。このため、AiHUBは人間とAIのコラボレーションによる新しい制作環境の実現が不可欠であると考えています。このような背景の中、同社は経済産業省及びNEDOの支援を受け、「GENIAC」プロジェクトの一環として本モデルを開発しています。
oboro:baseの特徴
「oboro:base」は、以下のような注目すべき特徴を持っております。
1. 国産・フルスクラッチ開発
このモデルは、ゼロから設計・開発されたもので、独自の改良アーキテクチャをもとに構築されています。純国産として誇りを持って世に送り出されました。
2. 著作権配慮
学習データセットには著作権に配慮したデータが使用されているため、研究や開発において安心して利用できる環境が整っています。
3. 高い実用性
この事前学習モデルを基にした追加学習を行うことで、既存の実用モデルと同水平の品質を、低コストで実現することができます。
4. コミュニティへの貢献
日本のAI技術の向上やエコシステムの活性化に貢献することを目的に、研究者、学生、クリエイターが利用しやすい形式でモデルと推論コードを公開しています。
技術報告書の意義
AiHUBが公開した技術報告書では、「oboro:base」の開発過程や検討内容が詳細に述べられています。この報告書により、国内でのAIモデル開発技術が発展する手助けとなることが期待されています。また、国際基準でのAI開発にも貢献する意向を示しています。
今後の展開とアニメ業界との連携
将来的には、AiHUBは「日本のアニメ産業の活性化」を目指して、各アニメ事業者との連携を強化し、カスタマイズしたモデルの開発に取り組む予定です。これにより、各社の知的財産や作風に応じた制作支援ツールを提供し、より多様で高度な制作環境の実現を目指します。
モデルの入手方法
「oboro:base」の事前学習モデルは、Hugging Face Hubから無償でダウンロード可能です。また、日本語技術報告書はAiHUBの公式サイトから、英語版はarXivから入手できます。
AiHUB株式会社について
2023年4月に設立されたAiHUBは、日本のオープンソース生成系AIコミュニティから生まれた企業です。エンタメ業界に特化したAI技術の発展を目指し、研究開発を継続しています。もしご興味があるエンタメ事業者がいれば、AiHUBにぜひご連絡ください。