2025年に向けた賃上げ実態調査の結果と各社の取り組み

賃上げ実態調査2025の概要

調査背景

2023年を通じて日本経済は大きな変化を体感しました。高水準の賃上げが実施され、円安や株価の上昇など歴史的な出来事がありました。しかし、物価の高騰は依然として続いており、家庭の負担増加を招いています。特に、賃金の実質的な増加を感じない多くの人々が存在しています。そうした中で、2025年の賃上げ事情を明らかにするため、従業員の手取り額を実質的に向上させる福利厚生「第３の賃上げ」の認知度と期待を探る調査が実施されました。

調査サマリー

2024年の生活実態

2024年は歴史的な高水準の賃上げが行われましたが、調査によれば手取りが増えたと感じる人が6割以上おらず、懸念が残る状況です。さらに、賃上げが家計負担を軽減するものではないと答えた人は、なんと7割を超えました。調査の結果、多くの人々は前年よりも家計の負担が増加し、節約意識がさらに高まっていることが示されています。

2025年の賃上げ意向

経営者や人事担当者の約6割が2025年に賃上げを実施する予定または前向きに検討していると答えています。特に、「従業員の生活支援」を理由として挙げる方が多く、これは前回の調査に比べ急上昇しています。それに続くのは、「物価の上昇を考慮」する点と「人材確保・定着」です。

「第３の賃上げ」の認知度と期待

従業員の手取り額を実質的にアップする福利厚生である「第３の賃上げ」の認知度は約42.6%とされていますが、経営陣の約7割、一般社員の9割が導入を希望しています。導入企業の満足度は高く、中小企業では約9割が満足と答えました。特に、導入効果としては「人材確保や採用時のアピール」が多数を占めています。

総括

2024年には消費者物価指数が上昇し続け、実質賃金の伸びが鈍化する中で、企業は従業員の生活を支援することの重要性がさらに認識されています。「第３の賃上げ」は、単なる賃上げに留まらず、福利厚生を通じて従業員の生活の質向上へとつながる活動です。長引く物価高の中で企業がどのように福祉施策を活かしていくのか、今後の動向が注目されます。