フィジカルAI革命を先取りする巡回ロボットの実用化へ
金沢工業大学の中沢実研究室が、金沢機工株式会社とAIロボットシステムズ合同会社と共同で、四足歩行ロボット「Unitree Go2」を活用した巡回ロボットの開発に取り組んでいます。フィジカルAI時代を見据えたこのプロジェクトは、巡回業務における新しい運用モデルの実現を目指しています。
開発の進捗と実証実験の準備
現在、プロトタイプ開発が完了し、次の段階である概念実証(PoC)が進行中です。金沢工業大学の扇が丘キャンパスの31号館で、24時間体制の実証実験を行い、その技術的な妥当性を検証予定です。この実験により、ロボットがどのように自律的に巡回業務をこなすのかを具体的に示すことが期待されています。
人手不足と生産性向上の解決策
最近の社会では、高齢化や人手不足が深刻な問題となっています。特に、警備や保守点検分野では、依然として人が担っていた業務をロボットとAIが共同で行うことが求められています。これにより、以下のようなシーンでの活用が想定されています。
- - オフィスビルや工場での定期巡回
- - 夜間や休日の安全確認
- - 設備機器の異常を早期に発見
- - 消灯確認、施錠確認
- - 危険エリアの監視
- - 作業現場の報告・状況記録
ロボットの主要技術
このプロジェクトに使われる「Unitree Go2」は、4D LiDARセンサー「L1」を搭載しており、360度の広範囲を高精度で認識可能です。自動充電機能により、ロボットは常に準備万端で、24時間体制で巡回業務に対応できます。さらに、100メートル四方のエリアを自律的に巡回できる地図学習機能も備えており、実用化に向けた技術検証が進められています。
新たな「KITコーオプ教育」モデル
注目すべきは、このプロジェクトが新しい形の「コーオプ教育」を実践している点です。学生が実際の開発現場で企業社員として業務に従事しながら学ぶこのプログラムは、金沢工業大学が提唱するものです。学生たちは、企業の技術者から直接指導を受け、実社会の問題解決に取り組む機会を得ています。
このような実地経験を通じて、学生たちは以下のような貴重なメリットを享受できます:
- - AIや情報工学の知識をビジネスに適用
- - 開発成果が実社会に反映される
- - 在学中に実務経験と報酬を得られる
実際、企業側にとっても有益で、若い発想や技術を取り入れることで人材育成や連携を深めることができます。
今後の展望
今後は、金沢工業大学のキャンパスでの実証実験を通じて、ロボットの自律走行性能や安全性を評価し、その後、工場やオフィスビルでの実環境での実証実験に移る予定です。この取り組みは、地域企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)や生産性向上に寄与することが期待されています。金沢工業大学、中沢実研究室、金沢機工株式会社、AIロボットシステムズは、フィジカルAI時代にマッチしたロボティクス技術を通して地域産業の発展に貢献していきます。