2025年猛暑対策の実態調査、家庭の予算と対策法に注目

2025年の猛暑と家庭の対策予算

2025年の夏、再び厳しい猛暑が予想される中、株式会社インテージが実施した全国調査の結果が注目を集めています。この調査では、家庭の暑さ対策にかかる予算が昨年よりも増加し、平均28,497円に達したことが報告されています。この背景には、電気代の高騰や暑さ対策用品の値上がり、そしてこれまでの猛暑経験から生まれる「備え」の意識が影響していると考えられます.

また、暑さ対策に関する世帯年収による差も明らかになりました。年収1,000万円未満の人々は、夏の生活費に対する不安が高く、計画を立てるのに頭を悩ませている様子。一方で、年収1,000万円以上の人々は不安が少なく、積極的な対策に踏み切れる傾向にあるようです。

エアコン使用が55％を超える

調査では、2025年の暑さ対策として最も多くの人が選んだのは「エアコン（冷房）」で、実に64.8%が利用を予定しています。次点には「水分・塩分補給（51.0%）」や「扇風機の使用（47.2%）」が続いており、家電やアイテムの活用が際立っています。また、男女別に見ると、女性の方が男性よりも高い対策率を示しています。特に日傘の使用は、女性の過半数が取り入れていると回答しています。

高齢層のエアコン利用とその理由

昨年の調査から、エアコンの使用状況は年齢が上がるにつれて高くなっていることがわかります。特に高齢層においては、メディアでの啓蒙活動や医療機関の情報提供が影響している可能性があります。しかし一方で、エアコンを使用しない理由として最も多かったのは「電気代が気になる」というもので、28.5%の回答者がこれを挙げています。

72歳以上の高齢層の中には、「窓を開けたり扇風機で十分」といった意見が見られ、エアコンに対して全体的に異なる意識が存在することが注目されます。加えて、「冷えすぎや体調不良が心配」と回答する人もおり、年齢による意識の違いが際立っているのです。

認知度の低い暑さ対策キーワード

調査の最後に、熱中症対策としてのキーワードの認知度についても触れられました。「熱中症警戒アラート」や「熱中症特別警戒アラート」の認知度は比較的高いものの、科学的な概念である「暑さ指数（WBGT）」や「クールシェア」などは2割未満の理解度にとどまっています。

これにより、生活者は暑さ対策行動を進めているものの、科学的な知識に基づいた対策や情報の浸透が不十分である現状が浮き彫りになっています。

経済的要因による影響

インテージの市場アナリスト、依田亜矢香氏は、「猛暑対策への意識が高まっているのが数字で示されている。特に予算の増加は『今年の夏は厳しい』という危機感を持った現れだ」と述べています。また経済的理由からエアコンを控えざるを得ない層が存在すること、世帯年収による明確な差異が猛暑対策に影響している現実についても言及しています。

行動と意識のギャップとともに、猛暑対策に対する社会全体の取り組みが求められている時代なのかもしれません。一方で、東京都が発表した水道代軽減策のように、今後の公的な支援や対策の充実も急務になるでしょう。