小松市に自動運転車レベル4の認可取得　アクセス向上への取り組み

近年、自動運転技術の発展が進む中、石川県小松市が大きな一歩を踏み出しました。市長の宮橋勝栄氏は、BOLDLY株式会社やティアフォー、アイサンテクノロジー、損害保険ジャパンと連携し、同市内の一般道において運転者なしで走行可能な自動運転車（レベル4）の認可を取得したと発表しました。これは、鉄道と空港を結ぶ重要なアクセス手段として期待されています。

今回認可を得たのは、「Minibus」という自動運転バスで、具体的には小松駅と小松空港の間を結ぶルートが対象です。運転者なしで走行するレベル4自動運転バスの運行は、周囲の交通や歩行者を認識しながら、専用のルートを設定した上で行われます。これにより、利用者は新たな利便性を享受できると同時に、地域の交通環境も整備されることが期待されています。

このプロジェクトは、2022年に締結された連携協定に基づいて進められています。小松市と提携各社は、北陸新幹線小松駅の開業を受けて、地域交通の充実を目的にさまざまな取り組みを行ってきました。例えば、損保ジャパンが自動運転のリスク評価を行ったり、アイサンテクノロジーが高精度の地図データを作成したりするなど、技術的な基盤も整い、実際の運行に至っています。

2023年には、実際の運行に向けた準備が進められ、特に自動運転ソフトウェア「Autoware」を利用した走行試験が行われました。ティアフォーがリーダーシップを作用し、自動運転バスの運行と監視のためのプラットフォーム「Dispatcher」がBOLDLYから提供されることで、遠隔からの管理も行われています。このような取り組みは、自動運転技術が実用化に向けて着実に進展している証であり、地域交通の革新を目指しています。

実際の運行は2024年3月9日から始まり、初年度には1万8千人以上の利用を見込んでいます。自動運転バスの運行は、小松市民だけではなく観光客や出張者にも新たな移動手段として利用されることが期待され、特に訪問先としての小松空港と駅を結ぶことで、地域の経済にも良い影響を与えるでしょう。

この自動運転バスは、公共交通の一環として位置づけられ、地域の交通事業者とのランニングトレーニングにも着目しています。運場者が自動運転車両を操作する必要がない場合でも、地域の交通事業者が自動運転のスキルを身につけることは重要であり、これにより地域全体のスムーズな交通運営が可能になります。

小松市のこの取り組みは、今後の自動運転技術の普及に向けたモデルケースとなるでしょう。自動運転バスの運行を通じて、地域住民や観光者にとって新たな価値を提供し、未来の交通網を見据えたスマートシティの構築に寄与することが期待されます。自動運転技術は今後、さらに進化を遂げ、多くの地域で実用化が進むことが望まれます。