小泉大臣の壁画が青山に登場
2023年5月31日、東京・青山のトーキョーミューラルスクエアにて、小泉進次郎農林水産大臣の壁画が完成しました。この作品は、アートカンパニーである株式会社OVER ALLsによって制作され、「正しい政治」よりも「楽しい政治」をテーマにしています。ミューラルアートは、その存在感とメッセージ性から、多くの注目を集めています。
壁画制作の背景
トーキョーミューラルスクエアは、現代の話題やニュースを壁画として表現するアートプロジェクトです。小泉大臣をモデルにしたこの壁画は、同プロジェクトの第10作目として位置づけられています。昨今のニュースでは、米に関連した話題が頻繁に取り上げられ、小泉大臣の姿をメディアで見ない日はないほどです。そのため、彼を描くことが選ばれました。
しかし、政治に関連したアートを制作することには賛否があります。実際、この壁画が完成してからSNSなどでは「不愉快だ」や「なぜ描くのか」といった批判が寄せられる一方で、時には危害を示唆するコメントまでありました。これは、政治というテーマがどれだけ敏感なものであるかを物語っています。そこで、OVER ALLsが示したかったことは、「正しい政治」ではなく「楽しい政治」という視点です。
ユーモアあふれるデザイン
壁画には、まっすぐ前を見据える小泉大臣の表情が描かれていますが、彼の口元には米粒が二粒描かれているのが特徴的です。また、政治ポスターのような洗練されたデザインの中には、「BELIEVE」という言葉も含まれています。この文字は実はダジャレで、「BELIEVE=信じろ=進次郎」という意味も込められています。アーティストたちは、観る者が思わずクスッと笑えるような工夫を施しました。
「楽しんだって、いい」という企業理念を掲げるOVER ALLsは、政治を楽しい対象として捉えており、政治に対する関心を持ちつつ笑いながら考える機会を提供したいと考えています。この壁画が、人々の間でより豊かな議論を生むきっかけとなることを期待しているのです。
今後の活動
今後もトーキョーミューラルスクエアでは、アートを通じて報道する形式を続け、社会の時事ネタに合った壁画を定期的に発表していく予定です。さらに、壁画の内容は時事性があるため、将来的に描き変えが行われる可能性もあります。
ここでOVER ALLsの代表、赤澤岳人氏についても少し触れておきましょう。彼は1981年生まれで、就職氷河期に「リクルートスーツを着る意味がわからない」と私服で面接に行き、全滅を経験した世代です。しかし、29歳でようやく正社員としての職を得ると、そこで自分の存在意義を見出し、数々の新規事業を手掛けた経験を持ちます。その後、同世代の山本勇気氏とともにOVER ALLsを設立し、ミューラルアートを通じて「夢」「希望」「浪漫」を再評価する活動を行っています。
会社概要
【株式会社OVER ALLs】は、「ミューラル(壁画)の力で、人々を表現者に変える」ことを目的に、全国各地でアートを生み出しています。依頼者とのインタビューに基づき、プロジェクトに深い歴史や背景を取り入れることで、社会との関係を築き上げています。過去には大谷翔平選手とダルビッシュ有選手を描いた壁画など、印象的な作品を手がけてきました。
東京都港区南青山に本社を構え、メディアへの露出も多い彼らの活動には、多くの期待が寄せられています。今後も彼らの動きから目が離せません。