i.Dare(イデア)と未来の教育
NPO法人SOMAが展開する「i.Dare(イデア)」が、経済産業省の「未来の教室」実証事業において、2019年度と2020年度の2年連続で採択されました。これは、教育の現場に新しい風を吹き込む試みとして注目されています。
i.Dareは、学校環境に適応が難しい子どもたちを支援するために設計されたプログラムで、オンラインとオフライン両方の形式で提供されており、全国のこどもたちに学びの機会を提供しています。特に、発達段階に応じた学びの実現や、自己選択の自由を重視している点が特徴です。
具体的な取り組みと成果
2019年度からの取り組みでは、高知県土佐町をフィールドに、教育委員会との連携を図りながらアート、AI型ドリルを使った算数、言語教育や体育など、多岐にわたるプログラムが実施されました。
この取り組みにより、子どもたちの基本的自尊感情や社会的自尊感情の向上が確認され、長期間学校に通っていなかった子どもも、参加を通じてほとんど欠席をせずに学ぶことができたという成果が報告されています。具体的には、
- - 参加者の自己尊重感の向上
- - 学校に行けなかった子どもたちの安定した出席
といったポジティブな結果が得られました。
2020年度の進展
コロナ禍を考慮した2020年度のプログラムは、全国に拡大し、オンラインミートアップとオフラインキャラバンを融合させた形式で開催されました。約20名の子どもたちが参加し、異なる学年の児童が一堂に会し、個々の目標設定や行動計画を立てました。参加者たちは自身の学びの履歴をポートフォリオとしてまとめ、学びを深める機会を得ました。
また、保護者とのオンライン交流会や外部講師との連携も積極的に行い、総合的な教育環境を提供しています。これにより、児童・生徒一人ひとりが自身の学びをより深く理解できるようになり、教育の質が向上しました。
i.Dareの今後の目標
i.Dareの目標は、年齢に応じた多様な学びの環境を整え、子どもたちが自分の興味を追求できる力を育むことです。教育者からの「あなたは何をしたいのか?」という問いかけを通じて、自己決定能力や自尊感情を育む場を提供することを目指しています。
このプロジェクトは、子どもたちが自らの特性や背景に応じて、自分の思いを形にできる未来の教育のあり方を模索するものです。
SOMAとi.Dareのビジョン
SOMAは「ひとが育つ環境」を提供することに重きを置いており、i.Dareの取り組みを通じて、自己実現が可能な学びの場を創出しています。教育の現場がこれからどのように進化していくのか、その模範といえる取り組みがi.Dareです。
このような新しい教育モデルが、日本各地でより多くの子どもたちに広がることを期待しています。