古野電気株式会社が製造した全周ARナビゲーションシステム「型式:AR-100M」を搭載した鶴見サンマリン株式会社の内航タンカー「鶴伸丸」が、令和7年度「船員安全・労働環境取組大賞」を受賞しました。この賞は、国土交通省海事局が実施するもので、船員の安全や労働環境の向上に寄与する取り組みとして表彰されるものです。
「鶴伸丸」は、時代の変化を見据えた船舶高度化プロジェクトの一環として鶴見サンマリン株式会社によって建造された次世代船舶です。この船には、最新の技術が多数搭載されており、全周ARナビゲーションシステムもその一つです。このシステムは、船員の視認性や操作性、安全性を向上させるために設計されており、従来の航海機器では難しい情報把握を可能にします。
ARナビゲーションシステム「型式:AR-100M」は、拡張現実技術を活用した航行サポートシステムです。船舶の前方に設置されたカメラが捕らえた映像を表示し、その上に航海に必要な情報を重ねて表示します。これにより、悪天候や夜間などの視認性が低い状況でも安心して操船が行えます。特に、船員の負担軽減に大きく貢献し、安全性の向上にも寄与しています。
また、全周ARオプションとして舶用カメラユニット「型式 AR-2001」が追加されており、これにより360度全方向の映像が表示可能となります。これにより、操船時のストレスが減り、より安全な航海が実現します。
古野電気株式会社は、今後も「安全で快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」を目指し、船員の安全性や快適性を向上させる製品・技術の開発を続けていく方針です。海事産業の持続的発展とともに、船員がより働きやすい環境の構築にも力を入れています。
詳細については、特設サイトもご覧ください。
古野電気株式会社は1948年に魚群探知機の実用化に成功して以来、舶用電子機器分野で革新を続けてきました。今日では、世界90か国以上で販売される舶用電子機器の専門メーカーとして、その地位を確立しています。
今後の航海技術の進化がどのようなものになるのか、私たちも楽しみです。全周ARナビゲーションシステムの登場がもたらす未来の航海を見つめていきましょう。