新たな公共交通のスタイル、配車アプリ『NORAN』の実証運用開始
福岡県宗像市で、地域交通の課題を解決するための配車アプリ・システム『NORAN(ノラン)』が実証運用を始めました。ゼンリンとアルパインマーケティングが共同で開発したこのアプリは、急増する公共交通のニーズに応え、利用者の移動を便利にすることを目指しています。
「NORAN」開発の背景
近年、全国的に公共交通機関の運転手不足や路線維持の難しさが明らかになっています。これらの課題に直面している地域において、ゼンリンとアルパインマーケティングは協力し、地域特有の問題点を解決する手段として配車システムの導入を決定しました。
2025年4月には、このアプリを使用して福岡県宗像市で実施される「宗像版公共ライドシェア」事業に参画し、交通が不足している地域での利用者の利便性向上を図ります。また、訪れる観光客の移動を助けることで地域振興にも寄与できるとしています。
『NORAN』の機能と特長
『NORAN』は、公共ライドシェア、乗合タクシー、通常タクシーなど、異なる交通モードを簡単に予約できる便利な配車システムです。アプリでは、利用者が出発地点と目的地を設定し、最適な交通手段を選ぶことが可能です。
本システムは、車両運行者の端末と連携し、複数の乗客を一台の車両で運ぶ乗合型運行にも対応しています。さらに、関連技術は宗像市と共同で特許出願中であり、今後も技術の向上に努める予定です。
利用手順
1. アプリを開き、「公共ライドシェア」を選択
2. 地図や住所検索機能を用いて、出発地点と目的地点を設定し、配車リクエストを行います。
3. 予約が成立した後、アプリ上に表示された車両情報をもとに乗車します。
4. 利用が終わったら、決済を行います(将来的にはアプリ上でクレジットカード決済も可能にする予定)。
今後の展望
現在、利用者の移動傾向を解析し、交通空白地域での要求に応じた「運行分析システム」の開発が進行中です。これにより、交通空白地域における問題解決の効果を見極め、公共交通の維持・改善に繋げていきます。
将来的にはこの『NORAN』と運行分析システムを組み合わせ、全国で同様の課題を抱える事業者への総合的なソリューションサービスを提供することを目指しています。地域の交通をより便利にするこの新たな試みが、福岡県宗像市から全国へと広がることが期待されます。