BEAMSとECOMMITが織りなす新しい循環文化
ファッションの最前線を行くBEAMSが、必要とされる状況を直視し、持続可能な未来に向けた新たな取り組みを始めた。それが、株式会社ECOMMIT(エコミット)との協業で生まれた「PASSTO」の衣類回収プログラムである。これにより、全国30店舗で衣類やファッション雑貨の回収を進め、資源循環社会の実現を目指す。
循環のカルチャーの構築
「PASSTO」とは、"次の人へ渡す、未来に繋げる"という意味を持つ造語だ。BEAMSは長年にわたり、ファッションだけでなくライフスタイルに対しても新しいトレンドを創出してきた。しかし、ファッション業界にも持続可能性が求められる今、BEAMSはお客様と一緒に服を大切にする文化を広めることを選んだ。
このプログラムでは、集められた衣類はリユースまたはリサイクルの対象となり、リユースが難しいものは再生素材などに活用される。しかし単に物を回収するだけではなく、それを通じて新たな価値を生み出すことが重要だ。BEAMSの店舗やスタッフとの交流を通じて、購入された服のストーリーを次へとバトンタッチし、その過程で生まれる情熱や物語を共有するという新たな試みが行われる。
店舗ごとのストーリーを届ける
特に注目すべきは、一部の店舗で展開される「The Story of PASSTO」という企画だ。ここでは、BEAMSのスタッフが自ら大切にしてきた服とのエピソードや、次の持ち主への想いを発信する。初回はビームス辻堂のスタッフが登場し、彼らが抱える服との想いを紹介する予定だ。これは、単なる衣類回収を超えた、新しい価値観を創造する活動として非常に意義深い。
具体的な活動内容
BEAMSでは、回収対象として衣類のみならず、ファッション雑貨も含まれている。トップス、ボトムス、ジャケットやコート、キャップやバックパックなど、幅広いアイテムが対象だ。なお、回収できないものには汚れやシミのある服、靴下や靴類などがあり、明確なガイドラインが定められている。この取り組みは、BEAMSが顧客に提供してきたファッション以上の価値を提案し、愛用された服が次の誰かの手に渡ることで、新たなライフストーリーが生まれることを期待している。
ECOMMITとのタッグ
「PASSTO」の背後には、「捨てない社会」を掲げるECOMMITがいる。彼らは、不要になったものを回収し、選別、再流通させるインフラを構築しており、資源循環サービスとして、その影響力を広げている。BEAMSとの提携により、より多くの人々が持続可能なライフスタイルを意識するきっかけになることが期待されている。
未来への約束
私たちが手放す服には、思い出や愛着が詰まっている。それを次の持ち主へ託すことで、新たな物語が生まれる。これこそが「PASSTO」が目指す真の価値であり、BEAMSの店舗を通じて、サステナブルな未来を少しずつ築いていく。消費することだけではなく、次の人へ渡すことで生まれる喜びを、多くの人と共有できることを願っている。今後の展開にも大いに期待が寄せられる。