水産業支援の新しい取り組みとは
近年、わかめの高値と生産者の労働力不足が深刻な問題となっています。このような状況を受けて、生活クラブ事業連合は新たな取り組みとして「茎付きわかめ」の取り扱いを始めることを発表しました。この取り組みは、親子で一緒に水産業を支援しながら、わかめについて学ぶ貴重な機会を提供します。
「茎付きわかめ」のメリットとは?
今年2024年の三陸養殖わかめは、海水温の上昇や収穫前の気象状況により、過去にない高値を記録しました。特に、重茂漁協の肉厚わかめも値上げを余儀なくされ、消費者の利用が減少しています。これに対抗する形で生活クラブは、芯(茎)抜き作業を行わない茎付きのわかめを導入し、リーズナブルな価格で公開することにしたのです。
楽しみながら学べるチャンス
親子での参加を促すこの取り組みでは、わかめがどのように成長するのかを知ることができ、また芯抜き作業自体にも参加できます。この作業は、茎と葉に分けるものであり、その過程を通じて農業や漁業の現場の難しさや美味しさを実感できる貴重な体験です。
労働力不足へのアプローチ
重茂漁協では働き手の高齢化が問題となり、担い手不足が将来的な不安を引き起こしています。そのため、消費者である生活クラブ組合員との意見交換を経て「茎付きわかめ」の開発が実現しました。これにより、消費者自らがわかめの生育過程を理解し、購入することができるようになるのです。
簡単な芯抜き作業の方法
取り扱いが行われるのは、春休み直前の時期です。この期間に、子どもたちは家族と共に簡単に芯抜き作業を体験できます。具体的な方法は、キッチンバサミを使用して茎の中央部分に切り込みを入れ、優しく引き抜くというもの。これでわかめの葉と茎に簡単に分けることができます。
作業後は、塩抜きしたわかめの葉をサラダや味噌汁の具として、茎の部分を和え物や佃煮としていただくことができます。親子での共同作業で、わかめの魅力を存分に楽しむことができるのです。
生活クラブと重茂漁協の長い付き合い
生活クラブと重茂漁協との提携は約40年に及びます。この長い関係の中で、両者は共に品質の向上や環境保護に努めてきました。重茂漁協が掲げる「つくり育てる漁業」という理念が、生活クラブの方針と見事に一致したことが、この提携の大きな理由です。地元の漁業を応援しながら、消費者と生産者が繋がることの重要性を再認識させられます。
生活クラブの持つ使命
生活クラブは、約42万人の組合員を持ち、持続可能な生活スタイルを実現するために共同購入を推進しています。大切な資源を守りつつ、地域貢献と福祉にも力を入れ、より良い社会作りに貢献していく姿勢を持っているのです。このような取り組みを通じて、地域や世代を超えた循環と共生の精神を育んでいます。
結びに
春休みに家族そろってわかめの芯抜き作業に参加し、ただ食べるだけではない新たな視点で水産業に関わってみてはいかがでしょうか。家庭での食材の選び方やその背景について考える良い機会になることでしょう。これを機に、地域の生産者を支援し、持続可能ななどの新しい価値観を一緒に体験しましょう。