ヴォンデルモーレンが関西万博で新しい風を吹き込む
2025年の大阪・関西万博では、世界各国の文化や食を発信する「Belgian Food & Drinks Week」が開催され、ベルギーの老舗菓子メーカー、ヴォンデルモーレン(Vondelmolen)がその中心的な役割を果たしました。この期間中、特に注目を集めたのが初の公式ワークショップです。このワークショップでは、ジンジャーブレッドの魅力や、企業の環境への取り組み、日本との文化的なつながりについて情熱的に紹介されました。
ベルギーの味と文化を共有する場
ワークショップは6月10日、万博ベルギーパビリオン内で行われ、参加者は伝統的なベルギーのお菓子を通じて、同国の深い文化に触れることができました。ヴォンデルモーレンのCEOラファエル・デ・へント氏は、ワークショップの冒頭に「ジンジャーブレッド、それはシンプルです」という言葉を掲げ、1867年創業の歴史やその製造過程を詳しく説明しました。
同社は年間およそ6,000トン、つまり2億5,000万枚相当のジンジャーブレッドを製造し、その65%は海外向けに輸出しています。この数値は、ジンジャーブレッド市場における同社の存在感を証明しています。特に日本は、米国やサウジアラビア、中国、オーストラリアに次いで第5位の海外輸出市場となっているため、今後の成長が期待されています。
ヴォンデルモーレンのブランドストーリー
日本における積極的な展開を目指す中で、ヴォンデルモーレンは現在SNSの活用を強化しています。実際に国内のSNSでは、ジンジャーブレッドに対するポジティブな反応が多く見られ、これが今後のマーケティング戦略にも寄与することが予想されます。
CEOラファエル・デ・へント氏は「フランダース地方の伝統的なソフト・ジンジャーブレッド」を作り続けることの重要性を語ります。彼はまた、153年前の小説『フランダースの犬』のストーリーを通じて、温もりと希望を届ける菓子としての思いを表明しました。これは、異なる文化や背景を持つ人々をつなぐ架け橋でありたいという願いに他なりません。
お土産ショップでの特別販売
ワークショップでは商品も紹介され、特に個包装のジンジャーブレッド(188円)、8個入りパック(1,188円)、ハート型ジンジャーブレッド(1,098円)のサンプルが提供されました。これらは万博開催を記念し、ベルギーパビリオン内のお土産ショップで先行販売されています。特筆すべきは、これらの商品はいずれも食物繊維が豊富で、1%未満の脂肪と塩分を含み、エネルギーに素早く変わる糖質とゆっくり吸収される糖質をバランスよく配合している点です。
持続可能な未来への取り組み
さらに、ヴォンデルモーレンは太陽光パネルを早期に導入した中小企業としても知られ、環境への配慮を大切にしています。伝統と革新のバランスを取りながら、持続可能な製造を追求する姿勢は、消費者からの支持も集めています。
このように、ヴォンデルモーレンのジンジャーブレッドは、ただの菓子以上の意味を持ち、文化のアイコンとして日本にも浸透していくことでしょう。日本とベルギーのつながりを深めることで、新たな交流やビジネスの可能性を開いていくことが期待されます。